こんにちは!どうもご無沙汰してます、曽根田です。
先週開催されたCICLOPE ASIAにお邪魔してきたので、その様子をご紹介したいと思います!

今更だけどシクロぺってどんな賞だっけ?という方、この記事でおさらいしてくださいね↓↓

日本で開催される「CICLOPE(シクロペ)」とは!

今年で2回目を迎えたシクロぺ、会場は渋谷のユーロライブでした。

開場は14:00から。まだ早い時間帯で人も比較的まばらでした。14:00~15:00は昨年受賞した作品がスクリーンで上映。こんな作品が受賞していたな〜と振り返るいい機会でした。

1時間の休憩を挟み、いよいよセミナー開始!
一発目はCutters StudiosのDr. Yuさん、ポスプロをより制作に生かしていく「ポスト・ファースト」の考え方についてお話しいただきました。大型スピーカーをCGで代用したケース、セットの広さや形状を前もってCGで再現したケース、ドキュメンタリーのVコンをほぼ完パケに等しいレベルで詳細に制作したケースなどの実例を紹介いただき、いかにポスプロが編集だけでなく時間と予算の削減にも役立つかを知ることができました。

お次のセミナーはMPC ShanghaiのJamie Loudonさん。RSA FilmsのRidley Scottが監督を務めたHennessy “The Seven Worlds”の制作の舞台裏のお話しをいただきました。ご覧いただければ凄さが分かります、この吸い込まれそうな映像美!!ただLoudonさんは、観客の心に届くためにはこのテクノロジーを使っていかにストーリーを伝えきれるかだと強調されました。確かにこの作品、高い映像技術の中に深い人間味が感じられますよね。いくら技術が進歩しても、人を動かすのはやはりストーリーなのだと、改めて考えさせられました。

Hennessy “The Seven Worlds”
Director: Ridley Scott
Production Company: RSA Films
Post Production: MPC

セミナー3つ目はタイの若手監督、Wuthisak Anarnkapornさんのライブインタビュー。スパイクスやカンヌなど様々な賞を受賞している今アジアで注目のAnarnkapornさん、知っている方も多いですよね!私はVOIZのシリーズが好きですが、すごくユニークなユーモアのセンスを持っている方だと思います。話を聞いていているとアイディアも豊富で、機会があれば長編映画にも挑戦してみたいとのこと。今後も注目していきたい監督です!

Voiz Waffle Chocolate
Director: Wuthisak Anarnkaporn
Agency: Ogilvy Group Thailand
Production: Factory01

Voiz Creamy Butter
Agency: Ogilvy & Mather
Director: Wuthisak Anarnkaporn
Production: Factory01

休憩なしにどんどん続きます。お次は電通の木下舞耶さん、「スポーツのチカラ」について。2012年のロンドンオリンピック頃からパラリンピックに対する人々の視線が変化してきた事実をもとに、来年迎える東京オリンピックではいかにパラリンピック選手、そして社会的弱者の地位向上を図れるかが課題だとお話しされました。クリエイティブ界の役割は社会問題の解決を手助けすることだ、という一言が印象的でした。

ここで30分間のコーヒーブレーク。この時間になると外にも人が溢れ出ていました。

セミナー再開、19時からは資生堂のクリエイティブディレクター・小助川雅人さんとヘアメイク・アーティスト・計良 宏文さんのライブインタビュー。話題作 “Party Bus”の舞台裏についてお話しいただきました。制作の山場は主人公のヨリの顔の上で繰り広げられるアニメーション。コマ撮りのテイストを出すために総カット数がなんと1970枚にものぼったそうです!!!個人的に「メイクアップは勇気になる」というテーマと、LGBTのエンパワメントというブランドとしての活動がとてもマッチしていると感じました。

Shiseido “Party Bus”
Director : Show Yanagisawa
Production Company : Towerfilm
Post-Production Company : Iemoto Inc.

メイキングもこちらから!

さて、そして最後に登壇されたのは映像界のパイオニア、関根光才さん!ご自身の作品作りから本シクロぺでグランプリを受賞した“Transphere”まで、制作の秘話をたっぷりお聞かせいただきました。大学では哲学を専攻されていたという関根さん、機知に富んだ深い作風はそういった幅広い分野から取り入れられていたのですね。昨年の「太陽の塔」は私もとても好きだったのですが、“Transphere”はまた壮大なスケールと神秘的な展開が惹きつけられました。

“Transphere” Trailer
Director: Kosai Sekine
Production Company: Nion

以上、シクロぺのセミナー情報でした〜!
続いてシクロぺの受賞作品もご紹介してまいります!