医者が注射針を準備している瞬間、車でトンネルをくぐっている瞬間、映画の緊迫した場面を見ている瞬間、銃を手にしている瞬間・・・。

理由がなんであれ、人の息が止まる瞬間をかき集めたSheep Dog & Wolf “Breath”のMVは、見ているこっちも気付けば息を止めてしまう映像です。

監督はニュージーランド人ディレクターデュオのThunderlips。
同じくニュージーランド人のSheep Dog & Wolf(21歳でひとりボーカル、たくさんの楽器を使い音を重ねていくエクスペリメンタルアーティスト)のMVを監督するのは2回目です。
今回のMVはそれぞれの登場人物の表情だけを6分間見せられます。それについてThunderlipsは、

「カメラを常に人物の顔に向けて固定することを重視したのですが、上がりを見ると常に静的なカメラからエネルギーが伝わっていると感じました。見ている側の共感を呼ぶことに重きを置いたので、気が散るような動作やエフェクトは排除して自然であることに徹しました。撮影は行い未加工の色情報を収録出来る様にハッキングしたCanon 5D IIIでを使った事で、シーンが追加になってもカメラのレンタルせずそのカメラを使えたのがすごく良かったです。カラコレは自分たちで行いました。

シーンごとに登場人物のエモーションは緊張であったり、怖かったり、楽しかったりとバラバラですがとにかく実際に人が息をする事が規制されるようなシチュエーションにキャストを置いたので演技という面を気にしなかったです。シーンによっては状況が一見してはわからないようなものでも視聴者が勝手に物語を付け加えてくれるように思いました。あとは、トンネルで息を止めるようなシーンでは、その遊びにすぐキャストが共感してくれて、自分自身になりきってくれたものもあります」

Thunderlipsは去年からニュージーランドのプロダクションThick as Thievesにレップされた期待の若手監督。


(画像はThunderlipsです。)

CM監督としては、下記の「バターチキンカレーVS. バターチキンカレーパイ」等のCMを手がけています。

Thick as Thievesウェブサイトでは「Thunderlips は朝食にスコッチを飲みコーヒー豆を食べます。目薬にはタバスコを使いレザーで出来た靴下を履きます。映像監督としてのやり方は、綿密な事前計画を立て撮影日はカオスを巻き起こす事です。現在はニュージーランドはオークランドに住んでいますが、夢は世界征服です。」とおちゃめに紹介されています。

Thunderlipsが気になる!という方は是非こちらから他の作品もご覧下さい。