この時期になると特に理由もなく物悲しい気持ちになりますね。
人生を振り返ったり、誰か人とのつながりを感じたいこの季節にぴったりの、心に沁みる(更に物悲しくなる)MVを2本紹介します。

まずはSalt Cathedralの”Holy Soul”
夜、独り豪華なカントリークラブの清掃をする青年。
グラスに少し残されたシャンパンを味わってみたり、ほんのつかの間、自分とは縁遠い世界を体験しますが、テニスボールに打たれるうちに、現実を思い出します。
煌びやかな世界と、そこを人知れず整えている主人公。その対比が切ない作品です。

Holy Soul // Salt Cathedral from Matthew Beck on Vimeo.

ディレクターはMatt Beck と Bradley Tangonan。

もう1本、見れば見るほどに惚れ込んでしまう、Arcade Fireの”Afterlife”。
カナダ最高のビデオミュージックに贈られるPrism Prizeを受賞。先日行われたUK Music Video AwardsでもBest Alternative Video-Internationalを受賞しました。

ARCADE FIRE – AFTERLIFE from Emily Kai Bock on Vimeo.

食卓を囲むヒパニック系の家族。母親を亡くしたばかりなのか、それぞれまだ状況が飲み込めておらず、男同士の会話もぎすぎすしています。そんな中、父親、長男、次男、それぞれが夢の中で大事な妻/母親とのひと時を過ごします。MV中、多くが語られるわけでは決してないものの、それぞれの心情が伝わってくる、とてもエモーショナルな作品。ちょっとだけ希望が持てそうなラストだったのが救いですね。

演出したのは、カナダ出身の女性ディレクターEmily Kai Bock。繊細でありながらダイナミックな作品を撮る監督です。
今回の撮影では、世界で3台しかないと言われる65mmカメラを使用。印象的な映像に仕上げています。
他の作品はこちらから:http://www.emilykaibock.com/