ベストアートディレクション賞, ケイティー・ペリーの「ワイド・アウェーク」
こんにちは、11月中旬までAOI Pro.国際部のインターンをします野間みよこと言います。テンプル大学日本キャンパスの4年生でコミュニケーションを専攻しており、卒業後は映像業界に就職したいと考えています。
先週行われた2012年MTVミュージックビデオアワードでは、ケイティー・ペリーの「ワイド・アウェーク」がベストアートディレクション賞を獲得しました。さらにこのビデオはベスト・ビジュアルエフェクト賞とビデオ・オブ・ザ・イヤー賞も受賞しています。
ビデオの中では、暗い迷路で迫ってくる壁の間を彷徨う彼女が、彼女の幼い頃を表す少女によって救われメルヘンで幸せな世界に導かれていく様子を描いています。これらの描写はここ数年の彼女の苦労やラッセル・ブランドとの離婚を元にしているいと言われています。
このMVのメーキング映像の中で、全体的なデザインについて彼女は、
「始めはゴシック調の衣装で撮影をしました。紫の髪の毛、深紫の爪先、暗い色味の口紅、中世風のドレスを身に着けランターンを持って暗い迷路から抜け出そうとします。このラビリンスが薄暗い陰鬱な雰囲気の場所で、「死の影の谷」なのです。」
と語っています。
迷路の中を歩いていくと、壁の両側が彼女に向かって迫り、それを彼女が両手で押しとめます。そこで出会う少女がケイティーに潜む子供の頃の純潔さの幻影で、少女は彼女を幸せへと導いていきます。ビデオは「自身の過去一年の体験のアーティスティックな表現」であり、「どこかで大丈夫だという自分を発見する」というストーリーなのだと言います。
ミュージックビデオは以下から見られます。
このMVはTony T Datis監督によるもので、SkrillexのFirst of the Year (Equinox)という曲のMVも手がけている方です。プロダクションデザインとアートディレクションはMVのみならずCMやプロモーションビデオも手がけるBenjamin Bamps。日本と違って、アメリカではプロダクションデザイナーはMV一本の美術すべてを手がけるという点です。彼らがコスチュームデザイナーやメイクアップアーティストを選び、予算に応じてロケなのかセットで撮影するのかを決め、スケジュールも組んでいきます。
“First of the Year (Equinox)”
このビデオではDatis監督はプロダクションデザイナーも兼任しています。