⚫︎広大なアメリカとDIY精神
オースティンのあるテキサスは広大な州です、そしてアメリカは広いです。当たり前ですが、今回改めてそれを感じました。サンフランシスコからオースティンまで飛行機で3時間。それでもアメリカの西をちょっと移動した、くらいなもの。

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広い。
そして街と街の間には、なーんもない広大な土地が横たわってます。
これだけ広けりゃ、もう人生なんか何度でもやり直せるんだろうし、あと何もないから、なんでも自分で作っちゃうんだろうなと。
ここら辺からアメリカの楽天性とかDIY精神が出てきてるような気がしました。

DIYと言えば、3Dプリンターですね。先日書いた「disrupt」のモチベーションと結託して、3Dプリンターは「産業側が工場で製品製造をする」という既存のしくみを変えるもの、市民の手でどんなものでもカスタム生産ができるメーカーズ革命的なもの、としてここ数年のSXSWでもメインテーマのひとつでした。

 

 

⚫︎セッションより
今年の主要テーマのひとつ、ファッション&ウェアラブルのカテゴリーでも3Dプリンターで作る衣服、が話題となっていました。

まずはそんなセッションのひとつ、
<Ready to Wear? Body Informed 3D Printed Fashion>
こちらはファッションデザインの造詣とテクノロジーの利用で、新しいファッションの概念を発表しているポーリン·ファン·ドンゲンのセッション。彼女は個人個人の身体に最適化された、「衣服と身体の境界が曖昧になるような」これからのファッションを追求しており、3Dプリントでの素晴らしい2つのプロジェクト作品、Auxetic SleeveとRuffについて語りました。作品の斬新さもあり大盛況。

Auxetic Sleeve

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テクノロジーを感じせさず、あくまでも身体にマッチする新たなファッション。3Dプリント文脈からちょっと脱線しますが、こちらのセミナーも同じことがテーマで語られていました。(こちらは満席で入れず、後ほど情報収集となりました)
<The Emperor’s New Wearables>

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インテルのファッション担当やjawbone、アディダスなどの関係者が登壇。どうしてもIoTとの関係で語られがちなファッションやアクセサリーですが、あくまでも身体とのフィットが第一だという意見で一致。ここの仕分けが雑になるから
「ウェアラブルって言葉は使わない方がいい」とも。
ちょうどApple watchの発売告知がされた直後のタイミングでしたが
数日後に今度はインテルがタグホイヤー、Googleとスマートウォッチ開発での提携を発表していました。ホットですね。

3Dプリント系に話を戻すと、こちらも秀逸だったのが、カーネギーメロン大学(CMU)による新しいインターフェースのセッション
<Expressive Interactive Interfaces>。
発表者のひとり、Madeline Gannonが発表していた「TACTUM」は、人間の身体=皮膚の動きを学びとる3D設計用のプログラムを使い、皮膚に直接投影するVR衣服?!です。
つまり衣服は存在していない、物的なインターフェースはない、ということです。
彼女自身の作品も示しながら「身体そのものとしての衣服」の設計が実現されつつあることを示していました。

ですがこれは決して、「裸+VR」が狙いなのではありません。身体の動きのデータがまずあった上で、そのデータを取得→フィードバックし、衣装が身体に合わせて自由に(おそらく新素材で物理的に)それこそIoTで3D描画される、という未来を構想しているらしいのです。これは、衣服自体の作りのあり方を根本から変える、まさに各個人のオートクチュールの時代になるなと。

TACTUM – Tactile Augmented Reality (Teaser) from Madeline Gannon on Vimeo.

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CMUによるその他の「新たなインターフェース」の紹介リンク
発想が素晴らしいし、技術の使い方もよく練っています。
http://www.madlab.cc

 

 

 

⚫︎受賞作品について
ファッションに的を絞ってしまいましたが、今年のSXSWインタラクティブアワードでは
Best of showにLocal motorsのStrati(3Dプリンターで作った自動車!)が選ばれました。
Local motorsのあるカリフォルニア州オークランドは、市の施策として「maker city」という理念を掲げており、3Dプリンティングなどの産業活用を積極的に行っているそうで、この3D自動車の受賞の背景となっているようです。
同じく、学生の部での受賞作品。ネタっぽいですが、しかし作り込みの凄さ。。
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また、ピッチのアクセラレーターアワードでは、最もイノベーティブな賞の勝者にBioBots(患者の細胞を使った、生体器官のバイオプリンティングを可能に!)が選ばれていました。
本年のトレードショーにも出品し、非常に高い評価を得ている日本の義手製造チームExiiiさんのHandiiiも、3Dプリンターを用いた高度な製品を実現しています。トレードショーブースでもひときわ多くのお客様を魅きつけていました!

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⚫︎これからの3Dプリンティング
このように、3Dプリンティング関連分野は、新しい地平に突入しているといえます。
すなわち、そもそもの概念を変える高度な発想力や、素材面も含めたプロフェッショナルな専門領域でのイノベーション、そのための3Dプリンティング、ということにどんどん進んでいるということです。

最後に、SXSWインタラクティブの、事実上のクロージングキーノートである<Bruce Sterling Closing Talk>
作家のBruce Sterling氏はSXSW2015の総括として、「3Dプリンターはもはや市民の手を離れ、有能な企業や個人のものとして再び独占されていくのでは?」という見解を示していました。

うーん、なるほど。。
DIYどこ行った?。。

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Bruce Sterling Closing Talkはこちらからも聞けるようですよ。

 

会場ではSXcreateというテーマイベントで、デジタルプリンティングなどでの主に個人ベースでの出展(Maker’s Faireに近い感じ?)も行われていました。

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活発な草の根のアクティビティも健在に見えましたが、今後のDIYな文脈がどう発展していくか、さらに注目されます。