[ADFEST 2015] 一日目:セミナーまとめ
初めてADFESTに参加した国際部の酒井です。
昨日はADFEST2015の初日だったのですが、その中で僕が聞いたセミナーの2つをご紹介します。
まずはこちら:
“We will fix this in post(編集で何とかします)”
By Juice.
ポーランドのポスプロ会社であるJuiceの社長AdamとCGスーパーバイザーのMichaelの他2名が登壇!テクノロジーの発展に伴いよく聞くようになった「編集でどうにかします」という言葉に関してCG会社としての見解を述べました。
プレゼンで終始強く訴えていたのは、
1. 作品の途中でCG会社に仕事を振るのではなく、プロジェクトの始めからCG会社に相談するべき
オンラインやCGに費やす時間が少ないというケースがとても多いが、それはスケジュールをCG会社に相談せずに作った後に、どうにかその厳しい納期に合わせて仕上げてもらおうとしているからだと言う。CG会社からすると、スケジュールを含め始めから相談してもらった方が後々の作業工程も格段にスムーズで効率的で、クオリティーの向上につながるとのことです。
2. ポスプロ会社を信頼する
プロジェクトマネージメントにおいて、Time(時間)、Quality(質)、Money(お金)の中から2つしか選ぶことは出来ない言われますが、Trust (信頼)があれば、この3つ全てを叶えられる。
3. 「編集でどうにかします」とポスプロで何でも対応しようとするのではなく、なるべく実写で対応できること・作りこめるところは作る。リアリティを求める上で実写に勝るものはないので、CGで作りこむにしても一部(特に役者が触れる部分)は実写で撮った方がクオリティがあがる。
Juiceのリールはこちら:
Juice reel 2013 from Juice on Vimeo.
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2つ目のセミナー:
Do shocking Ads really work?(ショッキングな広告は効果的なのか?)
by Hando Sinisalu
マーケティングジャーナリストのHando Sinisalu氏によるセミナー。
ショッキングな広告は話題になったとしても必ずしも売り上げに貢献するとは限らないというのをいくつかの事例と共に紹介した。
例えばこちらのスペインのバーガーキングのプリント広告:
ヒンドゥー教の女神ラクシュミーがハンバーガーの上に座っているプリント広告を打ち出したスペインのバーガーキング。広告自体は話題になったものの、ヒンドゥー教の信者から多大な批判を受けた。これにより広告はすぐに取り消され、代理店は解雇された。
Hando氏は、アートや映画であれば見る人に衝撃を与える作品を作ことは比較的に簡単であるが、広告という規制のある中で、モラルや道徳的なバランスを保ちつつもショッキングで話題性のあるものを作り上げるのは難しいと語った。
そのバランスが上手く取れた成功事例として紹介したのが、こちらの北京のVolkswagenのEyes On the Roadというキャンペーン
運転中の携帯電話操作の危険性を伝えるこちらのドッキリ映像。車の運転をする男性の主観映像から始まる。あるタイミングで観客にテキストメッセージが送られると観客は皆一斉に携帯をチェック・・・その瞬間スクリーンでは事故が起こり車はクラッシュする。。。
Hando氏によるとこのキャンペーンの秀逸なところは血などのグロイ映像を見せずして視聴者に事故の怖さと衝撃を与えることが出来ている点だという。
また、セミナーの最後にはShareability(シェアのしやすさ)に関しての事例を紹介してくれました。
例として挙げたのが2つのBudwiserのコマーシャル。同じシリーズの2つのコマーシャルの中でよりシェアされやすいのはどちらでしょうか?
とにかくFuckを連発するコマーシャル。
とにかく裸を見せまくるコマーシャル。
Hando氏によると、上のFuckを連発するCMの方が裸のバージョンよりもシェア数が多いとのことでした。というのもShareabilityを考える上で、“Would you share this with your mom or boss?”(あなたのお母さんや上司にシェアしますか?)というのが大きな基準となり、裸よりもFuckの方がシェアしやすいという心理に基づいているようです。
以上、アドフェス初日のセミナー報告でした!!
今後のセミナー報告・受賞速報をお楽しみに!