カンヌまで1週間を切りましたね!!!
この時期ほど世界中のいろんなCMを見まくる時はない、業界を俯瞰で見れる、唯一のチャンスです。

さて今日集めてみたのは、ちょっと暗くなる内容かもしれません。
でも、逆に、改めて、ちょっとした過ちで、かけがえのない人を失ってしまうかもしれない、と気を引き締められ、大切な人を守る責任を思わせてくれる作品たちです。

去年のPSA(公共広告)的なCMで言うとDumb Ways To Dieが、Metroの事故防止のキャンペーンで賞を総なめにしました。今年は去年とは少し違うアプローチの作品が多いのが特徴かも?


■ NZTA (New Zealand Transport Agency) “Small Mistakes”

ニュージーランドの国家機関であるNZ交通エージェンシーの調査結果で、ニュージーランドのスピード違反による志望者数は一年間で20%と高い数値であった事をうけて、人々にもう一度スピード違反による事故の危険性を再認識してもらおうと作ったCM。

誰もが、失敗をしてしまった瞬間に、一瞬前に戻りたい!!と思う気持ちを、うまく利用した力強いCM。
時が止まっている間に、スピードを出してしまった事を後悔し、相手にすがり、大切な人を守りたいという強い気持ちが、結果にむなしく描かれています。キャスティング、コピー、エフェクト、どれも伝えたいメッセージを十分にサポートしています。

Agency:Clemenger BBDO, Wellington / Production Company: Finch / Director: Derin Seale


■ St. John’s Ambulance “Break the Barrier”/”Save the Boy”

ロンドンの救急処置チャリティー団体は、「You can be the difference between life and death(あなた自身が、誰かの生と死を分ける事になるかもしれない)」というコピーをかかげ、人々の救急処置の教育を推薦しています。「If you don’t know first aid, you can’t help(救急処置を知らないと、助けられない)」。

Agency: The Brand Agency, Perth, Australia / Production Company: Penguin Empire / Director: Grant Sputore

Agency: BBH London / Production Company: Blink / Director: Dougal Wilson


■ Department of Transport “#PUBLOOSHOCKER”

ドッキリの怖さがダメな人や心臓が弱い方は注意!
Think! Don’t drink and drive(飲酒運転はするな)のキャンペーンでイギリスの運輸省が行ったキャンペーン。バーのトイレに仕掛けをし、無意識の時の一瞬の衝撃の怖さを表現し、運転して帰るなよ、と訴えかけてます。

Agency: Leo Burnett, London / Production Company: Rattling Stick London / Director: Ed Morris


■ Volkswagen “Living room”/”Bathroom”

「スクーターの女性が、いつ突然現れるかわかりません。死角に乗り物が来た時に知らせてくれる機能搭載」というコピーにおちる、とてもシンプルで強いCM。


■ Terra Des Hommes “Sweetie”

映像ではないですが同じテーマで今年受賞しそうなキャンペーン。
Terra Des Hommesという様々な国が参加している、子供の権利を守ろうという団体。世界中の小児愛者が、オンラインで後進国の児童を虐待という違法を行っている中、今までほとんど逮捕されていない、という現実に目を向け、Sweetieという10歳の少女ロボットを作り囮として、犯人をトラッキング。その結果、10週間で1000人の個人情報を集める事に成功し、国際警察機関へ提出。これにより、政府や警察機関の意識を高め、実際このようなサービスを提供している団体などの摘発にも繋がったそうです。

Agency: Lemz