こんにちは。グループ経営戦略部の曽我です。
今回は「SXSW ECO」の中でも、
公共空間のデザインについて着目したいと思います。

近年、日本でも一般的な意味となってきましたが、
デザインとは”見た目のデザイン(演出)”だけではありません。
サービスやプロダクトでの体験=UX(ユーザーエクスペリエンス)から、
コミュニティ、ビジネスモデル、さらには組織構築…などなど、
何かに対するソリューションの事を【デザイン】と呼びますね。

SXSW ECOではないですので余談ですが、
ジョン・マエダさんという天才デザイナーが
凄くわかりやすい事を言っていたので、シェアさせてください。
“Tech makes possibilities, design makes solutions,
art makes questions, leadership makes actions”
いやーこれには参った!!! すごく頭がスッキリしませんか?

さて、話をSXSW ECOにもどしましょう。
Place By Design」”公共空間をどのようにデザインで変革できるか”という
コンペが行われてました。(AutoDesk社がスポンサーです)
その中で気になったものをいくつか紹介します。


■オシャレ!「Ballroom Luminoso」
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Prize of Transformative Desin ということで、
自転車の廃材を使ってできた特殊な照明が受賞しました。

高架下などの暗い地下空間がこんなにも美しいプラネタリウムのような
アート空間に変わり、ここがコミュニティスペースになったようです。
日本でもリサイクル業者がどうしても出てしまう廃材を使い、
いろいろなアート作品を使っている事例などは数社あった気がしますが、
まだあまり見かけることは多くありません。
廃材系はうまくコラボしたり、新しいビジネスモデルが
まだまだ考えられそうな予感がしています。


■コミュニティスペース系:「Insitu」と「From Bright to Bright」
・Insitu

INSITU-2013 3m2 from TU TALLER DESIGN on Vimeo.

「Insitu」はアフリカで行われたワークショップ
公園を単なる遊び場ではなく、衛生・農業・都市デザインのことを
学んでもらうスペースに変容させるプロジェクト。
2013年は、これらを学べる遊具を公園に作り、現地の子ども達や
家族に遊んでもらうスペースを構築しました。
既存の公園など公共施設をどう使いこなせるか?という
アイデアの発想ポイントは、とても良いと思いました。

・都会派の作品「From Bright to Bright」
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ニューヨークは車社会で道路の間に汚い空き地がいっぱい存在していて、
そこを有効活用しようという都市設計のアイデア。
その長い土地は公園・発電施設・自転車専用レーン等として使用し、
そこからニューヨークの街全体にサスティナビリティのムーブメントが
広がっていくという長期的ビジョンを持っています。
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この作品が面白いところは、その細長い公園をデザインしていくのは
市民がアプリを使ってクラウドソースでデザインしていくこと。
公園の遊具などをユニットと考えて、ポコポコと投票していくことが可能です。
コミュニティスペース」というキーワードは
今後日本でももっと広がりを見せてくるんでしょうね。


受賞は惜しくも逃しましたが、
他にもいくつか面白いものもありましたのでご紹介します。

■Key to the street

Product Demo from KTTS on Vimeo.

さっきのFrom Bright to Brightのアプリアイデアに近いですが、
「こうしたらもっと歩きやすいのに!」という部分を写真で撮影し、
スケッチを書いて意見を送ることができる市民参加ツールです。
これからバンバンこういうの出てくるんだろうなぁと思います。

■AnyType

AnyType from Laura Devendorf on Vimeo.

Anytypeは身近にあるものを写真で撮影し、簡単にタイポグラフィを作れるアプリ。
人々はこのアプリでの体験を通して、その土地の予期しなかった発見を促すプロダクトです。とてもかわいいですね。

このようなアプリ等は、先ほどご紹介した受賞作品のような
実際に作られた「」や「ワークショップ」と一緒に使われると、
とても有機的なアイデアに進化しそうだなーと感じました。


GoogleGlassなどのAR技術もそうですが、実際の場や建築のフィールドに
映像やコンテンツが結びつく事例はとても多くなってきています。

また、最近NHKや日本版WIREDでも特集が組まれたので、
OpenDataやGoverment2.0、CivicTechnologyと呼ばれる
キーワードが耳に入る事も多くなってきたと思います。
その流れもあり、公共空間のデザインに対して市民や民間企業が
参入しやすくなる時代がすぐそこに来ているはずです。

このようなプランニング&プロトタイピングを参考にしながら、どのように自分たちのビジネスも展開できるか?を考えていきたいところですね。