[カンヌ2013] 〜2日目 – 今日のセミナー
1日で6セミナー!!カンヌでの、これまでの自己記録を破りました!!
さてカンヌ2013ですが、どのセミナーも、以下のキーポイントに終始しています。
1.コミュニケーションのスピード
クリエイティブなコミュニケーションはより速く、よりリアルタイムに、より重要になってきています。多くのブランドが、より多くの話題の中に入っていけるよう、最新のニュースを提供しています。
2. ユニバーサル、クロスカルチャー
素晴らしく、そして意味のある作品とは、〝文化の違いなど関係ない“というのです。なぜなら、そのような作品は、人間誰にも共通する価値観に当てはまり、文化的の違いというものを乗り越えるからです。例えば、Metro Trainsの”Dumb Ways To Die”や、Doveの“Real Beauty Sketches”は世界中どこの人が見ても理解できるものなのです。
3. 無料メディアの重要性
成功した作品というのは、人がそれについて話し、シェアしたいと思うものです。ソーシャルメディア上でのメンション、シェアの数は成功の証と言えます。
本日最初のセミナーは、アメリカのコメディアンであり俳優のJack BlackがスピーカーのYAHOO セミナー “The New World of Online Content– Appealing to the Habits of Today’s Consumer(オンラインコンテンツの新しい世界-今日の消費者の習慣にアピールする)” 。
Blackは、オリジナルコンテンツビデオを取り上げ、インターネットを通じて、これらのデジタルコンテンツを消費者に届ける際に、彼らの日常の習慣に合わせることが重要であると言っていました。若い世代は、いつだろうと、何処にいようと、瞬間的にアクセスできるものを求めているのです。彼曰く、長編映画界の衰退の原因のひとつは、映画スタジオ内でさえも数々の承認が必要で最終的には妥協も必要になるところですが、インターネットであれば、時間に制限はなく、アイデアそのものがその作品の長さを決めると言うのです。彼は続けて、〝インターネットでコンテンツを見るのを気に入っているのは、小さいスクリーンで短い間に見れてしまうからです。スクリーンが小さいほど、僕が集中する時間も短くなる。それにコメディは、時間が短いほどいい。“
次に行ったのは、Coca Cola企業セミナー – “Work That Matters(大事な仕事)”。ご存知の通り、彼らは今年のカンヌの”Creative Marketer of the Year”に選ばれています。本当に良いセミナーでした!グローバルコネクションのバイスプレジデント、Ivan Pollardは、〝ブランドは、仕える権利を得る為に、より精を出さなければならない“ ブランドにとって〝世の中を良くする“という意識をもち、また責任を負うことは大事です。
プレゼンテーションはCoca Colaの127年の歴史の中のマーケティング方法について振り返っていました。
1955年のこの作品は、アフリカ系の家族をフィーチャーしたCoca Cola初のプリント広告した。これは、まだアフリカ系の市民に、白人と同じような権利が認められていなかった頃のことです。
アフリカ系市民の社会問題に関して取り扱ったもうひとつの作品は、人種別に分離されていると一目でわかるような公園のベンチに、黒人と白人の男の子達が一緒に座っているというものです。
彼らの広告で、恐らく1番有名で政治的なのは、ベトナム戦争時の1971年に発表されたこちら。あらゆる人種の人たちが一緒に”I want to teach the world to sing in perfect harmony(パーフェクトなハーモニーの作り方を世界中に教えたい)”と歌うものでした。子供の頃にこれを歌っていたことを憶えています!
その他に人種偏見に挑む広告としては、この小さな白人少年が黒人フットボール選手にコーラを手渡すものがあります。今これを見てみると、何がそんなに一大事なのだと疑問に思うでしょう。けれどもこの時代のアメリカでは、特定の人種に対する偏見が色濃く残っていたのです。
Cokeの別のミッションは〝男女をめぐる固定観念に挑む“ということでした。こちらの作品では、働く女性が、セクシーな男性がダイエットコーラを飲む様子を見るために休憩を取るというものです。
彼らはプレゼンで、次から次へと、社会的な意味を持った作品を見せてくれました。
スライドのいくつかを紹介します。
Defy Gender Sterotypes
Promotes Real World Stories and Purpose
Gives People Reason to Believe
セミナーの最後を締めくくったのは彼らの最新作であり、彼らの信条、〝私たちをまとめるものは、私たちを強くする“に基づいた、”Small World Machine”。
以前これを見たときに凄いと思いましたが、このセミナーの流れの中で再度見て、このキャンペーンがなぜ、どのようにして生まれたのか聞いていたら鳥肌が立ってしまいました!ブランドにとってなんて大胆な行動でしょう!
会場中にカンヌスペシャルボトル缶!! で埋まったCoca Cola冷蔵庫が置かれています!!Facebookにその写真を貼り付けたところ、何人もの人からお土産に欲しいといわれてしまいました!今では、係りの人が1人に1缶配るようになっています!しかもその場で缶を開けてしまうのです!残念!:(
Bill and Melinda Gates foundation seminar – Introducing Cannes Chimera (Bill & Melinda Gates foundationセミナー‐カンヌキメラの紹介) では、クリエイティブコミュニティが、早急な解決が求められる地球規模の問題、特に今年のメインテーマである”貧困との戦い“をテーマに、100万ドル使ってのアイデアを出し合うように招待されました。スピーカーであるR/GAの global chief creative officer、Nick Lawは〝ほとんんどのところ、私たちは、消費者のマインドを変えるために才能を使っています;けれども今では、それに変わって人生を変えられるのです”といっていました。
簡単に食事を済ますと、また別のセミナーへ。今度のスピーカーは日本から!!PARTY’s “Prototyping Communication”川村真司氏と、清水幹太氏が自分たちの作品を紹介した他に、イノベーションがアイデアを邪魔しないようにすることの重要性について説いていました。AOI Pro.はPARTYとお仕事することも多いので、彼らの作品はお馴染みですが、彼らがこれらの作品がどのようにして生まれたのかを英語で説明しているのを見るのは興味深かったです。
次はJWT の “Meet the Parents(両親に会いましょう)”。それは様々な業界のクリエイティブ達が、親がどのように人生を形作ったか語るビデオで始まりました。親として、私Julie Thomasが自分の子供の将来にどのような影響を与えているのかとっても興味があります。
セミナーを進行したのはドキュメンタリー映画監督のLemonade Storesが、企業家たちに、自身の母親からどのような影響を受けたのか聞いていきます。ゲストはRichard Branson (Virgin); Russell Simmons (Def Jam); Arthur Blank (Home Depot); Kay Koplovitz (USA Networks); Tom Scott (Nantucket Nectars).
個人的なハイライトは、受賞暦も沢山あるMJZのディレクターDante Ariolaとその母親が一緒にステージに立ったところ!!
最後のセミナーは、Chiel Worldwideによるもの。昨年はK-POPグループの2NE1を招いていたので、今年は何をするのか期待していました。Chielによるこれまでの品を紹介していました。
今日では、誰もが時間や場所に関わらず、創造し、繋がり、シェアし、購入することが出来ます。テクノロジーは、消費者とメディアのコネクションを何重にも強化し、アイデアは、口コミで、スクリーンからスクリーンへ、地球の反対側までも、たったの1クリックやタッチで伝わるのです。
コンテンツが君主で、あらゆるサーフェイス、デバイスそして家電がメディアチャンネルとなりうる中、ブランドは接触点があれば、オンラインだろうとオフラインだろうと、消費者の行動に影響を与えることが出来ます。これまでは〝精神的なシェア“によってメッセージを発信してきたブランドですが、この新しい時代には〝人生のシェア”することによって解決策を探していくことになります。
けれどもコンテンツはどれも平等に作られたわけではありません。メディアに慣れ親しんだ消費者にアピールするために、ブランドは、メディアとテクノロジー、エンターテイメントをミックスし、エンターテイメントと組み合わさった革新的なコンテンツを、消費者の望む場所や時間に提供するようになっています。
WOW!たっくさん学んだ1日でした!!全体的にみてみると、Coca Colaのセミナーに1番インスパイアされました!