はじめまして。
10月より入社しました国際ユニットの曽根田です。大学では語学を専攻、3年次にはカナダのバンクーバーに留学しました。入社前には写真の勉強をしていて、特にデザイン性・アート性のあるスナップや風景などの芸術写真が大好きです。よろしくお願いします。

先日私が尊敬するフォトグラファーの1人、マイケル・ケンナ(Michael Kenna)の展示会に足を運んできたので、第1回目の投稿では彼の作品をご紹介したいと思います。

Kenna 1

イギリス生まれのケンナはロンドン芸術学校で写真を学んだ後、サンフランシスコに移住し写真家として活動を開始。30年以上に渡り世界各国で創作活動を続け、世界屈指のランドスケープ・フォトグラファーとして美意識と芸術性の高い作品を数多く生み出してきました。2000年にはフランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受章。使用カメラはハッセルブラッドです。

Kenna 2

彼の作品は現実離れをした光をとらえ独特なオーラを放っていますが、なんとこれらは夜から明け方まで10時間にも及ぶ長時間露光により撮影された賜物だそうです!

同時にプリントテクニックにも長けており、展示会ではやはりデジタルとは一味違う、白や黒・グレーの絶妙なコントラストに目を奪われました。これだけデジタルが広まる中、改めてフィルムのよさを感じさせられます。

Kenna 3

日本にも幾度となく足を運び、日本の精神性を作品に反映してきました。以下は北海道で撮影されたものです。とても日本人らしさの出ている作品ですね。

Kenna 6

ケンナの作品は、空間を上手く使ったシンプルで美しい構図が目立ちます。これは1960年代に音楽や美術の分野で生み出された「ミニマリズム」(minimalism)とよばれる、余分なものを全てそぎ落とし、可能な限りシンプルに表現したスタイルです。余分なものがない分、被写体の意味・重要性が増し、より目を引く作品になります。

一見割とよくありそうな風景をここまで美的に仕上げることができるのは、やはり自分の中に確固とした美意識・世界感を持っている証拠だと思います。白黒の正統派な写真であるのに、どこか異次元的空間を作り出す彼の技術・センスは圧巻です。

現在は世界各地で精力的に展示会を続けているケンナ、彼の作品は以下でご覧いただけます。

http://www.michaelkenna.net/