このとびきり洞察力に満ちたCMを見ていると、電話のたびに“先に切って”、“そっちが先に切って”と繰り返していた、自分の大学生時代を思い出します。その頃は、会話の内容に一喜一憂したり、考え込んだりしていたものです。このCMの詩的なフレーズ “なんでもないスウィートな呟き”は、そんなやりとりを上手く表していると思います。

若者が電話で話しています。ベッドに寝転がった彼は、電話の向こうの人間の太陽星座を確かめます。“乙女座と牡牛座の相性はパーフェクトだよ”と言うことから、相手は彼が思いを寄せる人物だと言うことが分かります。彼は1日中、服の色などたわいの無いことを話し続けます。電話で繋がったまま、食料品店に出掛け、服を着替え、音楽を聞いて、トイレにさえも行ってしまうのです。作品は、夜明け方、若者がバルコニーの外を見ながら“ところで、おはよう”と言うところで終ります。スーパーは“初恋のため。永遠に終らない会話のためのネットワーク”。企業ロゴが表示されている間にも、若者の会話が聞こえてきます。

現在、プリント、アウトドア、ラジオ、デジタル、店頭など、あるあらゆるプラットフォームにて展開されています。

Ogilvy Mumbai が企画したものをNirvana FilmsのPrakash Varmaが演出しました。Ogilvy Worldwideによって、ソーシャルネットワークプラットフォームにて公開することも決まりました。Nirvanaの作品は、これまでにもCannesやLondon International Awards, Abbysなどで高く評価されています。