今日のテーマは、母への愛情の再確認です―でも今回はP&GではなくBritish Airwaysによるものです。

現在、アメリカに400万人以上、その他の地域に100万人以上のインド人が暮らしているのですが、ほとんどの人たちが年に一度はインドに帰還します。この数十年、彼らの帰国の際のオプションといえば、Lufthansa, Air France, KLM そしてBritish Airwaysのようなメジャーな欧米の航空会社でした。けれどもそれも中東系航空会社や、より低価格で使いやすいJet Airways等の猛攻によって、マーケティングの方法を再考する必要性が出てきたようです。そんな中、British Airwaysによる新たなキャンペーンが、見事に帰国を考えるインド人の心を掴んだようです。

家族はひとつ ― お母さんに会うために、今日にもインド行きチケットを予約しよう!というものです。

これは若いインド人男性、Ratneshが、ムンバイを離れてから15年ぶりに母と再会する瞬間を描いたものです。
息子が17歳でアメリカに移り住むまでの間、どのようにして彼のために料理を作っていたかを母親が振り返る、ハートウォーミングな内容になっています。彼女は息子の好物をBritish Airwaysでアメリカまで届けようとするのですが、そのくだりには胸がいっぱいになります。そして、最後に彼が帰ってきた時の母親の驚いた表情は本当に魅力的です。彼女が買い物する様子を見せたり、作った料理のレシピをウェブ上で公開したり、とてもリアルで、丁寧に作られたキャンペーンです。

ba mom

Ogilvy in New York とText 100 Americaによるこちらのキャンペーンですが、公開してから数日も経たないうちに22.5万ビューを達成しました。世界中のインド人からTwitterやFacebook上に反応が示されたところを見ると、そのメッセージはきちんと伝わったようです。

私自身のことを言うと、この14年間で、インド南部のチェンナイに住む母親をサプライズで訪ねたことが何度もあります。そのため、今回のキャンペーンにはとても共感しました。Eye Patch Filmsのプロデューサー、ニューヨークのBrandon LaGankeをディレクターに、ほぼアメリカのクルーでムンバイの中心地で撮影されました。DPはOgilvy New Yorkにより直接任命されたセレブフォトグラファーであるPavitr Sethが担当。地元の文化、特徴を上手くリアルに切り取っています。