The Latest Virtual Production / STAR WARS – The Mandalorian
じめじめしてますね。自宅できのこが生えました。こんにちは。ゆづきです。
いつもはなんとなくノリで書いていますが、今回はまじめに勉強しました。以前Twitterで見かけたLEDウォールによる最新の撮影技術がおもしろかったので、軽い気持ちで調べはじめたのですが……
ちゃんと調べたらこれが思ったよりも沼で。
というのも、私はゴリゴリの文系。プログラミング用語とか全然わからん。
“イテレーション”ってなに?”ポリゴン”ってポケモンでしょ?って思いながら必死に理解した内容を、なるべく平易なことばで今日はご紹介します。
きっかけはこのTweet。沼のはじまり。
車の向こうにLEDウォールを設置して撮影しています。投稿したのは撮影監督をしたMatt Workmanさん。
彼によると、この撮影を可能にしたのは”Unreal Engine 4″と高精細なLEDウォール。なにやら”Unreal Engine 4″っていうのがすごいらしい。
で、調べてみました。
Unreal Engine 4はEpic Gamesというアメリカのゲーム開発会社が作ったゲームエンジンで、そもそもはゲーム制作のためのソフトウェアだったのですが、その機能が応用され、今やNASAの訓練にも使われているという代物です。
ベイビーヨーダでも話題になった、最新のスターウォーズのスピンオフドラマ『マンダロリアン』の撮影でも、半分以上のシーンがこのシステムを使って撮影されています。
『マンダロリアン』では、高さ6m、直径23mのLEDウォールによって周囲270度を囲み作った空間”ボリューム”の中で、Unreal Engine 4で制作した映像を映し、撮影が行われました。これにより、グリーンバック撮影・ポストプロダクションでの合成作業を大幅に削減し、インカメラで背景を含めた映像をキャプチャーすることができています。LEDウォールに映す映像はリアルタイムに変更可能で、例えば「あの山を高くしたいな」と思ったら、その場で高さを変えることができます。環境だけでなくライティングも簡単に変更でき、操作もiPadでできちゃうというお手軽さ。レンダリングで長時間待つ必要もない。
目指すビジュアルを全スタッフが撮影時にリアルタイムで共有できるって、間違いなく映像のクオリティと撮影時の効率が向上します。特に役者の演技・カメラのフレーミング・照明に与える影響は大きいはずです。
そもそも背景に映像を投影して撮影すること自体は新しい方法ではないのですが(実は私もやったことがあります)、この撮影方法がすごいのは視差の問題を解決したところ。今までは背景が固定されていたため、視差の問題からカメラは自由に動けませんでしたが、Unreal Engine 4とその他最新の技術のコラボレーションによって、カメラをトラッキングした情報をリアルタイムに映像へ反映することが可能になり、この長年の問題が解決されました。ちょっとなに言ってるかわからない、という人は、下の映像の00:48~00:51や1:54~1:56あたりを見るとわかりやすいかもです。
こんなにすごいUnreal Engine 4、なんと無料でダウンロードできます(粗収入が100万ドルを越えない限りロイヤリティを求めない/2020年6月時点)。
すごい!私も使ってみよう!と思ってダウンロードしたら、起動した瞬間にファイルがクラッシュしました。
なんやねん。
先月には最新版Unreal Engine 5のデモがリリースされていて、来年にはフルリリースの予定みたいです。
映像技術の最先端を走ってきたスターウォーズ。今回もさすがです。
この技術もあっという間に当たり前になるんだろうなあ。わくわく。
参考資料:
https://www.unrealengine.com/ja/blog/forging-new-paths-for-filmmakers-on-the-mandalorian
https://www.unrealengine.com/ja/blog/a-first-look-at-unreal-engine-5
https://www.youtube.com/watch?v=zr1kal2hvPc