YouTubeビデオが一気に「Viral (バイラル) 」になる要素はなんでしょうか?まず、「バイラルビデオ」について説明します。みなさんもVirus(ウイルス)はよく聞くと思います。そう、電車とかで人から感染してお腹が痛くなったりするあの微小で目に見えないあれです。バイラルビデオも人から人へと広まっていくもので、このウイルスのような働きをします。2つの唯一の違いと言えば、バイラルビデオは“いい意味”で使われるということでしょうか。

ビデオがバイラルになる要因。それは単にエンターテイニングだからです。おもしろかったり、すごかったり、不思議だったりなどなど。こういったビデオを発見すると人々はものすごいスピードでシェアしていき、何百万という再生回数を記録します。
以下より、いくつか有名な「バイラルビデオ」を紹介したいと思います。

韓国のバイラルビデオの王様PSYは”Gentlemen M/V”という新しいミュージックビデオを発表。先週末に公開されたばかりにも関わらず早くも再生回数は1億5千万回以上。YouTube史上最も多い再生回数を誇る自身の”Gangnam Style”の記録を破ることはできるのでしょうか。

“The Harlem Shake”も今年の2月頃、特にアメリカの大学生の間で大きく話題になりました。よくわかりませんが、コスチューム(下着など)を着て動き回る・・・ダンスと呼ぶのでしょうか・・・。何度もこのシリーズのビデオを見てきましたが未だに一体何なのかわかりません!典型的なおバカふざとでも言いましょうか。
以下、Harlem Shake ビデオのトップ10です。

ところで、本当のHarlem Shakeを知らない方は一体何なのかと混乱したのではないでしょうか。Harlem ShakeとはNYのハーレムで生まれたダンスです。もしご興味のある方はオリジナルのダンスを一から説明している以下のビデオをご覧ください。

一方、ボストンマラソンで起きた爆弾テロ事件を捉えたビデオも非常に多くの視聴回数を記録しています。バイラルになるビデオはハッピーなものばかりではありません。このような悲しい事件もシェアされ人々は現在起こっている世界の出来事により理解を深めていくのです。

広告主もこのバイラルビデオの流れ(現象)に敏感に反応しています。バイラル広告を作るというとはだいぶ一般的になり、Ad AgeはViral Video Awards(バイラルビデオ賞)というカテゴリーまで作りました。以下、受賞作品です。

Viral Brand of the Year:
Samsung

前回のブログで取り上げたSamsungの スーパーボウルCM “Next Big Thing” を覚えているでしょうか?忘れてしまった方のためにもう一度。2人の有名なコメディアン Paul Ruddと Seth RogenはSamsungの新しいCMのアイディアを出すよう求められます。彼らが出すアイディアは少し前に公開された他のスーパーボウルCMのパクリ。結局NBAスターのLebron Jamesareの採用が決まり、彼らのアイディアは捨てられてしまいます・・・。このCMはここ最近のSamsungのCMの中でも特に注目をうけた作品でした。

Best Brand Transparency(企業の透明性)
McDonald’s: “Our Food. Your Questions.”

企業の透明性とは企業自体が自社の商品や業務に対しより正直に消費者に説明することを指します。このCMで、マクドナルドはどのようにしてあのおいしそうな商品カットを撮っているのか説明しています。

Best Video for a Product You Can’t Buy(未発売商品ベストビデオ)
Google: “Project Glass”

心配しないでください。Googleは ”まだ” 人間のサイボーグ化をスタートしていません。この広告では、Google Glassesで出来る様々なすごい機能を紹介しています。ただ値段が1500ドル(約15万円)!高すぎです・・・・

Best Olympics Ad(ベストオリンピック広告)
P&G: “Proud Sponsor of Moms”

このオリンピック広告はアスリートを取り上げるのではなく、選手を支える母親に焦点を当てています。

Best Use of Global Celebrity
H&M: “David Beckham Bodywear”

サッカー選手デビッド・ベッカムが下着で走る姿・・・。これが賞を受賞しなきゃおかしいでしょう!笑

Most-Watched Campaign
Red Bull: “Stratos”

スカイダイバーFelix Baumgartnerを起用したレッドブルのキャンペーン。彼は39キロもの距離をスカイダイビングし、ギネス記録を獲得。機械動力を使わず音速の壁を越えた初めての人物となりました。

Best Viral Stunt(ベストバイラルスタント)
TNT: “Your Daily Dose of Drama”

ドラマを扱うアメリカのケーブルチャンネルTNTのベルギー進出を祝ったこのキャンペーン。とあるベルギーの町。”ドラマ”を起こすため、人々は置かれた赤いボタンを押すように促されます。

Best Branded Physics Lesson
Rovio: “Angry Birds Space”

国際宇宙ステーションに住むNASA科学者はAngry Birdsを使って物理学を教えます。理学系の教授をされている方、必見です!

Best Viral Olympic Ambush(ベストバイラルオリンピックアンブッシュ)
Nike: “Find Your Greatness”

ナイキのこのスポットは 皆が“トクベツ”になる要素を持っているということを改めて気づかせてくれます。

Reader’s Choice: Best Tear Jerker(読者投票:感動広告部門)
Expedia: “Find Your Understanding”

娘の同性結婚を認める父親を追った感動的な広告。

Reader’s Choice: Funniest Campaign(最も面白い広告部門)
Liquid Plumr: “Double Impact”

ひとりの暇な主婦と玄関に現れる2人のゴージャスな配管工。変なことを考えたそこのあなた!変態!

Creative Agency of the Year
Wieden & Kennedy Portland

オレゴン州にあるWieden & Kennedyのポートランドディビジョンがクリエイティブエイジェンシーオブザイヤーを獲得。P&Gの”Proud Sponsor of Moms”やナイキの”Find Your Greatness”を手がけました。
以下もWieden & Kennedyが手がけ、これまたバイラルになった”Muscle Music”という広告。説明はいりません、ただただご覧ください。

Terry Crews Old Spice “Muscle Music”