Kの話 ~高精細画質はどこに向うのか?
きつい、汚い、危険の「K」でなく、
映像業界では、高画質の「K」の競争が加速しています。
「K」は、1000を意味する単位「キロ」の頭文字です。
リオのワールドカップ(2014)、オリンピック(2016)を目標に、
SonyやPanasonicが4K放送の一般普及に取り組み、先日のNABでは、NHKの8K(SuperHV)放送が取り上げられたり。(8Kの世界は、画素数7680×4320ピクセルだそうで…。実感しにくい数字です。)
人類は映像のスーパーリアリティー化を追求しています。
SD→HD→FULL HDへ一気に進んだように、今後、家庭に4K画質が入ってくる日が早いスピードで近づいているのは確かです。反面、「お茶の間では、FULL HD と4Kの画質の違いがよくわからないけど、とりあえず、面白いもの見れればいいよ。」という意見もあります。どんなに技術が進化しても、コンテンツやナラティブ(物語性)が大事であることは、世界中で変わらないことですね。(ジョルジュメリエスの時代からyoutubeの時代まで…。)
NABでは、Red Epicから6Kの対応が発表されました。いま、米映画業界は、4Kと8Kの中間、5Kが使われていますが、Epic 6K の新センサー・Dragonでは、ダイナミックレンジが17絞り分、解像度は6144×3160、HDの9倍です。ポストプロの過程で、出来ることが増えますね。 現行Epicで「ドラゴンタトゥーの女」を撮ったデビッドフィンチャー監督が、Epic 6Kでテスト撮影中だそうです。
夏公開の映画「42」「パシフィックリム」「スタートレック・イントゥダークネス」のようなハリウッドメジャー映画にもEpicは多く使われているため、今後、6K化の流れになると思われます。
課題は、劇場の多くがまだ2Kで上映という現実。SONYデジタルシネマを導入している劇場は、4Kで見れますが、制作から上映まで一貫して4Kの環境が整わないと、消費者にメリットが伝わらないですね。
制作側が6K化しても、上映側が追いつかないのでは…。
ちなみに、「ダークナイト」の撮影でも使われた アナログIMAXフィルムが持つ解像度は、15K とも云われています。 IMAX 3Dを筆頭に、映画は見るものから体感するものへ!と進化をしてきましたが、
「体感」や「臨場感」は、何処まで人間の脳の領域にアプローチできるのか…、脳科学と人の心との関わりにも踏み込んでいく過程と、思います。
「脳みそをぶちぬくような高精細ビジュアル」が「心を揺さぶるストーリー」に出会った映画は、人の人生を変えてしまうほどの力があるのでしょう。。。言うは易く。
RedEpic(5K)& SONY F65(4K)の2台で撮影された
映画「オブリビオン」(動画はHDですから劇場で!(5/31公開)
ちなみに、、IMAXカメラ撮影、ポスプロで IMAX 3Dに現在変換中という
映画「マンオブスティール」new trailer (8/30公開)
http://manofsteel.warnerbros.com/index.html
※弊社グループのデジタルガーデンとリモートテレシネを行うCompany3が、グレーディングに関わっています。
こちらは、メジャーリーグで一試合17Kを達成したあの人。この場合のKは、感動のKですね。
(解像度は最低です)
Written by Kenshin