一瞬であなたの人生が永遠に変わってしまう・・・。身体的なダメージだけではなく、一生消えることのない罪悪感を背負いながら。。。
これまで様々な賞を受賞してきたドイツの大御所Werner Herzogが最新作のドキュメンタリー”From One Second To The Next”を制作。
アメリカの携帯キャリア大手Verizon,、Sprint、T-MobileがAT&T (American Telephone & Telegraph)とコラボしたことにより実現しました。
AT&T’の”It Can Wait”というキャンペーンの一環で約35分間のこのフィルムは、運転中の携帯メールが原因で命を落とした2組の加害者と2組の加害者の話です。

背筋がゾクゾクするこの作品ですが見る際には必ずティッシュのご用意を。
また、見るときに字幕をONにするのを忘れずに!
今のところ日本語字幕はありませんが、youtubeの英語字幕を付けるだけでもおおよそどんなことを言っているのかくらいは伝わるかと!
何日も頭に残るようなシーンがいくつかありました。
例えば携帯メールのしながら運転による事故で亡くなった少年の母親が最後に受け取ったメールが“今帰っています”という内容でだったこと。
他にも携帯メールを打っている間にアーミッシュの一家3人の命を奪ってしまった男性の最後のメッセージの内容が妻に送った“I Love You”だったこと・・・。こんなにラブリーで甘いメールを打っている人が3人も殺してしまうなんて信じられますか?
さらにはこの男性が被害者の父から受けとった手紙を読むシーンなどなど・・とにかく衝撃の連続です!

“From One Second To The Next” Documentary – It Can Wait

基本的にHerzogは“広告”を好まず、作りません。と言うのもAssociated Pressに語ったように、“広告は簡単にコントロールや帳尻を合わせることができる”という考えがあるからです。

一方、“今回のこのキャンペーンはむしろ場をわきまえずに商品を使わないように促している。携帯を売ろうとしているのではなく、個々の認識を高めようとしている。”と今回のフィルムは従来の広告と違うことを強調している。

アメリカの公共ラジオ局(NPR)の取材に対してHerzogは“始めは30秒を4タイプ作る予定でした。ただ直ぐにこの深い感情や内側に潜む感情は30秒では伝えきれないと思いました。対象人物を深く知らなければならないし、強い悲しみから来る長い沈黙だったりを許容できるだけの時間が必要だと思った。”と答えています。

これらの理由でフィルムは最終的に35分ほどの尺になり、8月7日にYoutubeにアップされてからもう既に200万回近くも再生されています!
これだけの長尺のビデオでこの再生回数の多さは稀ですが、これだけ力強い映像であることは間違いありません!私も先週見た後すぐにFacebookにシェアしたくなりました!

70歳のWerner Herzogは”Grizzly Man”、 “Rescue Dawn”、”Encounters at the End of the World”等、数々の賞を受賞!特に熊愛好家Timothy Treadwellの人生と死を記録した2005年のドキュメンタリー映画”Grizzly Man”は話題になりました。映画は主にTimothy Treadwellの友人や彼の熊保護活動に関わってきた人々のインタビューで構成されており、
2003年にTimothyと彼の彼女Amie Huguenardが愛する熊に食べられてしまうまで彼自身が撮り続けたフッテージもたくさん使われています。

Grizzly Manトレイラー

Werner Herzongの最も新しい作品は2011年の”Into the Abyss”で、テキサス州コンローで起きた殺人事件とその罪により死刑宣告を受けたMichael Perryと終身刑に服しているJason Burkettの話です。

“Into the Abyss”トレイラー

Werner Herzogについてもう少し詳しく知りたい方は以下のウェブサイトへ:
http://www.wernerherzog.com