みなさん、ご無沙汰しております。
GB部の茆 馨木(ボウ ケイモク)でございます。

アニメ強国の日本の皆さんにとっては、中国アニメに対してはあんまり興味ないかもしれないと思います。まあ、それは当然でしょう、笑。

僕も中国人なんですが、中国製アニメに対してはあんまり興味持っていなかったのです。しかし、最近中国のSNS上から得た様々な情報で中国アニメへの注目度が上がっております。

実際、近年では、中国国内において中国製アニメは外国製のアニメと同じく、もしくはそれを上回る興行収入を記録しているのが現状です。

釈迦に説法になりますが、今日はこの場をお借りして、2つの作品通じて皆さんに現在の中国製アニメを軽く紹介させていただきます。

作品全体を皆さんにお見せするのが難しいと思いますので、ここでは予告編を例としてお見せ致します。多分音声の言語の違いによって見る気分が変わるかと思いますので、一応音声違いの2つのバージョンをシェアさせていただきます。

まず、1本目は『白蛇:縁起』(はくじゃ:えんぎ)です。フル3DCGアニメーション映画になります。中国大陸は2019年1月11日に公開され、興行収入は中国国内で70億円を突破しました。中国の千年前の民間伝説『白蛇伝』を題材とし、主人公として知られる白蛇の前世の恋物語を描いた作品です。

日本においては2021年夏に小規模公開する予定になります。

日本語吹き替え版

中国語音声、日本語字幕版

 

この映画の一部情報は下記になります。
監督:ウォン·カホン(黄家康)、チャオ·ジー(趙霽)
脚本:大毛(Damao)
製作会社: 追光動画(Light Chaser Animation)、ワーナー·ブラザース
公開: 2019年1月11日(中国大陸)、 2021年夏(日本にて小規模公開)
上映時間:99分
言語:中国語
製作費:RMB 8000万(日本円約13.5億)
興行収入:RMB 4.49億 (日本円約75.5億)
詳しい情報はこちらになります。↓
https://white-snake.jp/

 

2本目が『ナタ転生』(なたてんせい)です。中国の伝奇小説「封神演義」に登場する少年神ナタを主人公に、現代に転生したナタの戦いを描いた中国製3DCGアニメーション。中国では今現在の興行収入は70億円を超え、チャオ・ジー監督及び制作チームが、4年の歳月をかけて完成させたそうです。

日本語吹き替え版

 

中国語音声、日本語字幕版

 

この映画の一部情報は下記になります。
監督:チャオ·ジー(趙霽)
脚本:沐川(Muchuan)
製作会社:追光動画(Light Chaser Animation)、Alibaba film
公開: 2021年2月12日(中国大陸)、 2021年2月26日(日本にて小規模公開)
上映時間:116分
言語:北京語
製作費:RMB 2億(日本円約33.5億)
興行収入:RMB 4.55億 (日本円約76億)
詳しい情報はこちらになります。↓
https://nezha.jp/

 

この2つの動画を作った中国のCGアニメーション映画スタジオは北京に拠点を置く追光动画(Light Chaser Animation Studios)です。このスタジオは、人気のある中国のビデオ共有サイトTudou.comの創設者で元CEOのGary Wangによって2013年の初めに設立されました。今は社員190人を有してます。主に中国風のアニメーションを制作していて、中国の神話や伝説系の題材の作品が多いようです。

HPはこちらになります。↓
http://www.zhuiguang.com/

2つの作品はいかがでしょうか?笑

まあ、すごい個人的な感想になりますが、上記の2つのアニメ作品について、細かいことを言えば、ディズニーとかの影響がモロに伺えるシーンももちろんありますが、そうした海外の良い”演出”や”表現”を遠慮なく取り入れ、そして海外のアニメ会社では描けない中国独自のエンタメ感と美的感覚に基づいたキャラクターやカンフー的なアクションが詰め込まれているのが面白いじゃないかと思います。

背景美術に関してはまさに「ザ中国」という感じで鮮やかなデジタル山水画や戦前の上海を彷彿とさせるスチームパンク等は非常に美しいでありながら、クールさも欠けてなく、魅力的だと思います。人物のデザインもフルCGなのに、日本のような萌的なのが含まれていてかわいくて、生き生きしてて、見やすいと思います。キャラクターの口の動き方も実際の中国語の発音に合わせていて、実写と見紛わんばかりのクオリティーで作られ、繊細でございます。中の戦うシーンもスケールがなかなかでダイナミック、中国っぽいファンタジーの美しさを堪能できる作品ではないかと思います。とにかく、今まで僕が思った中国産アニメと違って、技術的な進化に改めて驚されました。

こういうことが起きる理由としては、個人的な趣味で調べたところ、もちろん産業の政策や構造等色々ありますが、やはり一番重要なのが「お金」だと思いますね。

アニメ作品への投資額及びアニメ業界全体の給与額においては中国の方が多く、特に給与面に関しては、中国の求人サイトによりますと、アニメーターの平均月収は杭州では3万4062元(約52万円)で、北京では約3万元(約45万円)でした。一方、日本ではアニメーターの月収はその半分の25万でも業界平均より高いというのが現実だそうです。その「お金」の力で、人材の確保や育成ができ、中国の国産アニメを底上げしてるのではないかと思います。

僕から見ると、日本のアニメ産業は「日本のお家芸の1つ」として、言うまでもないほど強いですし、世界のアニメ業界でも非常に強い影響力持ってます。1つ2つの中国製アニメ映画はまだ全然脅威にはならないと思いますが、このままですと、5、6年後のアニメ産業またはゲーム産業では、中国製アニメは日本アニメのグローバル競争相手になる可能性が高いじゃないかと思います、そして、今後我々日本広告業界と中国アニメのコラボも期待できるかもしれないですよ。