今週は、9月に3日間に渡って開催された広告祭、Spikes Asia 2019についてご紹介します!

 

Spikes Asiaは世界最大の広告祭であるカンヌライオンズの地域版フェスで、アジア・太平洋地域では最大の広告コミュニケーションの祭典です。

このフェスティバルには映像業界人に留まらず、様々な分野の多様な職種の人がクリエイティブ・マーケティングについて学びに行きます。

Spikes Asiaでは、部門ごとに一番高い評価から順にGrand Prix、Gold、Silver Bronze、Short Listとアワードがあります。

 

今年度は弊社のグループ会社であるDirectors Think Tankに所属する映像監督のMaurice Noone氏が本祭典のフィルム・クラフトカテゴリーの審査員として参加した他、

弊社AOI Pro.が制作に携わった作品もSilverを2つ、Bronzeを5つ、そしてShort Listを6つ受賞することが出来たので、ぜひ公式ページにてチェックしてみて下さい!

 

以下から、私が個人的に面白いと思った企画の映像をご紹介したいと思います。

Spikes Asiaの一番の醍醐味は、やはりアジアに特化した優れた広告コミュニケーションやマーケティング戦略が競い合っていることです。

ノミネートされている企画は、アジアで問題となっている社会問題に取り組むためのクリエイティブなアイデアや、思わずあっと言わせるような面白い広告などがたくさんあり、私もとても勉強になりました!

 

それではご紹介していきます!

 

Uber Eats Australian Open Ambush
(Brand Experience & Activation部門Silver Spike賞)

こちらはタイトルの通り、テニスの豪州オープンの放送のようなウーバーイーツのコマーシャルです。この広告のスゴイところは、プロのテニスプレイヤーの他にカメラマンなどの報道陣、ナレーター、コメンテーター、審判など、すべて試合の時と同じスタッフでこの映像を作っているところです。

試合にブレークが入り、他のコマーシャルが流れた後にこの映像を流すことによって視聴者には試合の映像に戻ったと思い込ませ、最後の方までこれがコマーシャルであることを明かしません。

このような構成もとても面白く、普通のコマーシャルと違う点がクリエイティブだと思いました。

 

The First Start-Up Village (Brand Experience & Activation部門Bronze Spike賞)

中国の案件のため、お手数ですがこちらのリンクからご覧ください!

日本でも大きな問題となっている若者の田舎離れの問題。

実は中国でも郊外の過疎化が深刻になっていることから、Air Bnbが策を投じました。

このプロジェクトが成功したのは、一般企業・政府・市民が一丸となって取り組んだことが大きいと思います。

人口を増やすことで地域を活気づけられるだけでなく、多くの人が知らなかった文化を再発見し、広く認知させることが出来るという意味では、このプロジェクトはとても意義があると思いました。

 

Project Free Period (Creative Effectiveness部門Grand Prix賞)

インドの女性セックスワーカーに向けたプロジェクト。

インドでは、月経がある3日間だけ行為から解放されることから、セックスワーカーの女性たちは月経期間を待ち焦がれているといいます。

性行為を商売にする女性の多くは誘拐され、資金の為に親に売られ、経済的にも肉体的にも搾取され逃げられない状況にいるような人々がほとんどであると言われています。

そして彼女たちが逃げられないもう1つの大きな原因が、読み書きなど生活に必要な知識を身につけていないことです。

日々の仕事から解放されるわずか3日間の間に身につけられるノウハウを教えるこのプロジェクトは、売春宿を壊すなどの短期的な対策よりもずっと価値があるように思いました。

 

One In A Million (Entertainment部門Gold Spike賞)

こちらもインドのコマーシャル。

上三つの映像とは異なる構成で、こちらは物語性があるコマーシャルです。

100万人に1人の確率で現れるといわれる難病・魚鱗癬(ぎょりんせん)を抱えた少女の話を軸として物語は進むものの、最後は魚鱗癬に限らず、インドが国内に抱える多くの孤児、特に障害を持った孤児の多くが養子として引き取ってもらえない問題に光を当てるような終わりとなっています。

 

いかがでしたか?

 

他国がどのような問題を抱え、どのようにその問題に取り組んでいるのかを勉強できる映像が他にもたくさんあります。

私たちもそういったクリエイティブな発想に触れることで、自分たちが抱える課題を解決するアイデアや、人をあっと驚かせるような企画を思いつくかもしれません。

ぜひ色々観てみてください!