入社してからの時間の経つ速さに目が回っているハーモニーです。

 先月はカンヌライオンズなどのイベントがありましたが、同時に世界中でLGBTQ+をサポートする月間、プライド・マンスでした!プライドマンスは1969年6月28日に起きたストーンウォールの反乱を記念して毎年行われています。

 

 今年のプライド・マンスも世界中各地でLGBTQ+の権利、文化、コミュニティー、教育などを推進するためのイベントが企画されました。
 多くの企業も6月中は、LGBTQ+のサポートを見せるため、レインボーフラッグをイメージした限定商品を販売するなど、様々なキャンペーンが行われました。ということで、今年のプライドマンスを盛り上げたコマーシャルを3つ紹介致します。

 

まずは男性用カミソリ・髭剃り、Gilletteのコマーシャルをご覧ください。

First Shave, the story of Samson | #MyBestSelf

Whenever, wherever, however it happens – your first shave is special.

Gilletteさんの投稿 2019年5月23日木曜日

Advertising Agency: Grey, Canada
Director: Angie Bird
Production Company: Skin & Bones Film Company

 若いトランスジェンダーの男性が、初めて髭を剃るという作品です。このドキュメンタリー風作品の主演ははカナダ人アーティストのSamsonです。初めて、髭を剃る事を父親と共に経験するという内容です。
 トランスジェンダーとは社会的性別を意味し、ジェンダーが割り当てられた性別と異なる人のことです。
 Samsonは困難を乗り越え、自分の納得するような男性なるために前進しました。髭は男性性の大々的な象徴でもあります。それを剃る覚悟ができるまで自分の男性性に自信を持ったSamson。彼にとって髭を剃るということは、とても大きな一歩であることが伝り、その貴重な経験を父親と一緒にすることで強い親子愛も感じられます。

 

 次に、世界最大のコスメセレクトショップSEPHORAからの作品です。

Agency: Wednesday
Production Companies: AND Production, Prettybird
Director: Matt Lambert

 ジェンダーにはグラデーションのように様々なスペクトラム(連続体、範囲)があります。この作品にはジェンダースペクトラムの内の様々な人が出演しています。ジェンダーだけではなく、多様な年齢の人々も出演していますね。
 作品の最初と最後には様々な代名詞が流れます。通常「he/him」か「she/her」のどちらかですが、男性、女性という二元的なジェンダーに当てはまらない人々は、「They, them」や「Ze, Zir」などの代名詞を使ってほしいという方もいます。
 最後には「We belong to something beautiful」(我々は美しいものに属している)と表示されます。二元的なジェンダーや、社会が強制的にはめようとする枠組みに縛られることない、We(我々)というワードを強調しているのがいいですね。言葉と映像とテーマが補完しあっていて素晴らしいと思いました!

  

 最後に、Verizonというアメリカの大手電気通信事業者のコマーシャルです。LGBTQ+の人々とその家族を中心としたこちらの作品は、最初に紹介したものと同じくドキュメンタリー風になっています。

Connected by Pride

We hope for a world where coming out is always received with acceptance, and we want people to know that it’s never too late for love to call back. We're proud to partner with PFLAG National to help connect and reconnect all families. #ConnectedbyPride

Verizonさんの投稿 2019年6月6日木曜日

 

Agency: McCann-New York
Production Company: Moxie Pictures
Director: Lee Hirsch

 カミングアウトしたことで、家族と絶縁してしまったLGBTQ+の方がその家族と久々に電話で話し合いをします。家族側は後悔に溢れていて、現在の気持ちを伝えてゆきます。

「勇敢なあなたを誇りに思っているよ。」

「あなたが誰を家に招いても私は、その人を愛します。」

このような言葉をかけてゆくことで、家族の間の傷が少しづつ癒されてゆきます。

 

 LGBTQ+の家族は、自分自身がLGBTQ+に対して偏見がない場合でも、社会で生きていく上で、LGBTQ+であるが故に辛い思いをするのではないかと思ってしまい、カミングアウトした本人を責めてしまうことがあります。このコマーシャルで見られたように、家族側は本人のことを思ってしたことであっても、本人には選択できないことを責めることで両方が苦しい思いをすることになります。

 LGBTQ+であることで、社会で様々な苦労があるかもしれませんが、せめて家族や友達には受け止められ、支えられることで、困難を乗り越える力になるのではないでしょうか?

 

 以上が、ハーモニーチョイスのプライドマンスコマーシャルです。

 プライドマンス中はイベントがたくさん行われ、年々日本でもその認識が高まっていることは非常に素晴らしいと思います!ですが、一ヶ月間だけではなく、LGBTQ+方々が一年中生きやすい社会を作っていくための努力は常に続けなくちゃいけないですね。