みなさん、こんばんは。

今回のブログでは、Weezerというバンドの楽曲「All My Favorite Songs」のMVをご紹介します!

 

監督はColin Reed、

撮影監督はTrevor Wineman、

プロダクションはPulse Films/London とObra Houseです。

 

まずこのノスタルジックな世界観と、遊び心に溢れた演出にとても惹かれました。

 

この映像の大きなテーマともいえる「テクノロジー」。

監督もインタビューで語っているのですが、現代の人がスマートフォンなどのテクノロジーによって、よりたくさんの人とインターネット上で繋がるようになったものの、そのテクノロジーに頼るあまり人間関係もネット上だけで完結してしまう、実際に人と触れ合うことが減ってしまっている側面を1つのテーマとしています。

そういった現状に苛立ちを感じ、自分のComfort zone (安全領域)から飛び出して人と関わっていこうとする少年のストーリーを軸に、物語は進んでいきます。

人ともっと関わりたい、でもうまく関われない…そういった10代特有の苛立ちなどを監督が自らの経験を振り返って思い起こし、作品に反映していったそうです。

故に、現代のスマートフォンが登場するものの、パソコンは昔の大きいデスクトップだったりと、現代と一昔前のテクノロジーが合わさることによって不思議な世界観を作り上げています。

 

そして、観客をだますようなトリック。

SFXは冒頭のデスクトップ画面のみで、それ以外は全て実際に撮影したそうです。

撮影期間は立て込みが1日と、撮影が2日。
プレライト(照明)はぶっつけ本番でやったそうで、撮影本番は時間も非常に限られていたことから、照明は次の現場に行き準備を進める、というのを繰り返していたそうです(大変そうですね…)。

歌詞のフレーズごとにどの画が当たるのかを事前にすべて決めるためにアニマティックを入念に作り、当日無駄なく撮影ができるようにしていたと監督は語っています。

 

しかし、どんなに準備をしても必ず予期せぬことが起こるのが撮影現場で、スマホを下ろすと扉になっているシーンでは、当日かなり強い風が吹いており、布を固定することも難しく、スタッフみんなでひたすら風が止むのを待っていたこともあったとか。

(出演していた女の子も、ベストな瞬間で動き出せるよう長時間スマホを決まったアングルで持っていなければならなかったそうです)

 

それでもなんとか撮影が終わり、無事この作品が完成したようです。

 

最後に、監督はこのMVをつくる上で、フランスの映像監督ミシェル・ゴンドリーの作品を参考にしたそうです。
ミシェル・ゴンドリーは90年代後半、20年代前半で多くのMVを生み出してきた監督ですが、確かにトリッキーな映像をたくさん作っています。

ぜひ、ゴンドリー監督のMVもみてみてください。

 

それではみなさん、よい週末を!

 

佐藤

 

(インタビューリンク:https://www.shots.net/news/view/how-weezer-ditched-the-doomscroll)