こんにちは、再びAOI Pro.インターンのトニー・バンです。テンプル大学で学生映画を作りながらプリプロ、制作、ポスプロの経験を積む中で様々な広告を目にし、特にそのマーケティングアプローチが印象に残った作品がいくつかあります。今回はCMを使わず、これまでターゲットでなかった消費者にとっても商品をより身近に感じられるユニークでクリエイティブな3つのキャンペーンをご紹介します。

はじめにレゴの生誕80周年を祝ったショートフィルムアニメーションをご紹介します。17分のアニメーションを通してレゴの歴史とルーツを描いていて、監督はKim Pagel。創業者であるOle Christiansenとその家族の苦労の旅を描きます。いつもならこのようなストーリーは飽きてしまうのですが、すばらしい3Dアニメーションによる歴史の描写は小さな子供でも見ていられるような仕上がりとなっており、本物の家族のような居心地のよくあたたかい家庭の雰囲気が出ています。レゴのとったこのアプローチはレゴの従来のイメージとは違った新しい風を吹き込んだ作品だと感じました。ちなみに全編英語です。

次にテレビネットワークのAMCによるZombies invade NYC(ニューヨークをゾンビが襲撃する!)キャンペーンです。

AMCが人気テレビドラマ『ウォーキングデッド』をプロモートするために行ったのは、ニューヨークでゾンビに扮した人々を大放出し人を驚かせるというものです。メーカップアーティストのSun Leeによるリアルすぎるメイクによってゾンビ達は見事に注目を浴び、「ゾンビは街中にいるべきでない。テレビに戻そう。」と訴えることができています。(?)

最後にClemenger BBDOによるFantastic Delitesというスナック菓子のキャンペーンでは、「無料で1パックもらえる為にどれくらいまでやるのか?」ということを特別な自動販売機を設置して実験しています。

自動販売機はそれに付随する画面で人々に指示を出すのですが、これがとてもおもしろいのです。ボタンを100回押すという指示が、200回、500回、1000回とどんどんエスカレートし・・・特に大勢の前で恥ずかしい行動を指示されている時は笑っちゃいますよね!スナック自体の価値や味よりも可笑しな指示にフォーカスしすぎて、結果として人はタダのものの為なら何でもする事が判明してしまった感じはしますが…でも、Fantastic Delitesが無料サンプルを斬新な方法で配布したことで話題となったのは間違いありません。シャイな人の多い日本では成立しないマーケティング手法かもしれませんね!

Written by Tony