先日、イギリスの優れたMVを表彰するUK Music Video Awardsが行われました。
2008年にスタートした比較的新しいアワードではありますが、基本的には監督、カメラマン、アートディレクターなど、カメラの裏側にいる人たちを表彰する場となっています。

そして今年のVideo of the Yearを受賞したのは、M.I.A.の“Bad Girl”!!
監督は、あまりの過激さにYouTubeからビデオが削除されてしまったというM.I.A.の“Born Free”も手掛けたRomain Gavras。この度のアワードでは最優秀監督賞も受賞しています。

MTVアワードでも賞を受賞していたこちらのPVですが、アラブをステレオタイプ化しているのではないかと問題になっています。
顔が見えないくらいにスカーフを被った女性に、民族衣装を着た男性、石油を連想させる火柱などが、既に固まってしまっているイメージを強化することになるのではないかと。

議論を巻き起こしているビデオではありますが、カースタントがとにかくカッコイイ一本です。

M.I.A “Bad Girl”

何かと制限の多い生活の中で、このように遊びが過激になっているのではないかとも言われます。このPVも、2輪走行の車に乗ったままお茶を飲んだり、水タバコを吹かすサウジアラビアのドリフト族の映像にインスパイアされたとのこと。普段あまり見ることの出来ないアラブの若者カルチャーをフィーチャーしたということで、面白いのではないでしょうか。

ダイナミックな映像は、“アラビアのロレンス”等も撮影されたモロッコのOuarzazateで4日間かけて撮影されました。
2輪走行する車の上で澄ました顔してつめを研ぐ姿からは想像できませんが、M.I.A.もスタントは本気で怖かったのだとか。
“クレイジーを気取るアーティストは沢山いるけど、M.I.A.は別。彼女はマジでクレイジーだよ!”とはRomainの弁。

クレイジーと言えば、こちらも負けないくらいクレイジーな2人を紹介します。
数多くのゲストを迎えて行われた授賞式ですが、中には参加する代わりにビデオメッセージを送る人も。
中でも悪戯心満載のビデオを送りつけたのが、Duck Sauce “Big Bad Wolf”でBest Dance Video Internationalを受賞したKeith Schofieldと、先日紹介したSpiritualized ”Hay Jane”を監督し、新人監督賞を受賞したAG Rojas。
ひと癖ある作品を手掛けた彼らですが、メッセージビデオもやはりなかなか癖のあるものになっています。

Keith Schofieldのメッセージ::

AG Rojasのありがうメッセージ:

“BARFLIFE” | UKMVA Acceptance Video from AG Rojas on Vimeo.