わたしがカンヌに始めて行ったのは1996年のことでした。南アフリカ在住のBarry Munchickに出会ったのもその時でした。彼は、Keith Rose という監督兼カメラマンと一緒にVelocity Afrikaという制作会社を運営していたのです。南・ア・フ・リ・カ、WOW!

その次の年に、初めて一緒に仕事をしました。JT の“Ah Delight”のキャンペーンです。
On the set of JT "Ah Delight" campaign 1997 1997 Keith Rose and Greg Grey
左は、南アフリカのセットで、Keith Roseとわたし。
そして、右は禅のマスターKeith Rose とGreg Grey

JTのキャンペーンは、1998年のカンヌで銀賞、他にも世界中で沢山の賞を受賞しました。

その悪名高いKeith Roseが、今年のカンヌのCraftカテゴリーの審査員長に選ばれました。Kiethは、Clio TVの殿堂入りを果たしたり、カンヌの金賞を含むほとんど全ての広告祭で、常に賞を受賞している数少ない監督の1人です。つい最近のShotsMagazineでは、“100 Top Creative Minds of All Time”のうちの1人に選ばれました。Campaign Magazineが選ぶ世界のトップ監督の5人の中にも入りました、WOW!!

Keithは、見る人のクリエイティビティを素直にさせ、夢中にさせるCraftで知られています。何よりも、彼はアイデアを本質まで追求し、そしてそれが映像としてちゃんと生きてくることを、前もって知っているようです。
このカメレオンみたいな才能が、Keithをこのフィールドのトップに導いたわけですが、その勢いは未だ止まる気配がありません。

Keith Rose’sのshowreelはこちらでチェック: http://velocityfilms.com/keith-rose/

それでは、”Craft(制作手法/テクニック)”カテゴリーとは一体何でしょう?実は、このカテゴリーは、昨年始まったばっかりなんです。Carl Erik Rinschが監督した”The Gift”が、見事グランプリを受賞しましたよね。
Philips Cinema – Paralelle Lines “The Gift”

The Cannes Site’s の説明によれば、Craftカテゴリーとは:映像制作のプロセスの中で表現されたCraftを評価するものです。エントリーしたカテゴリーにもよりますが、演出、コピーライティング、編集、音楽、音響などが考慮されます。Craftカテゴリーの審査員は、クライアントやブランドのことを極力考えないようにしなければなりません。もちろん、CMの核なわけですから、全く無視することは出来ませんが。

テーマ、商品、クライアント、アイディアに関係なく、楽しくて記憶に残るような美的体験をさせてくれる映画や広告なら、商品、サービスのカテゴリーで受賞することは無くても、Craftカテゴリーで成功する可能性があるということです。

審査員は、作品との間に出来るエモーショナルな絆と、Craftがアイデアを伸ばす役割を果たしているかどうかを見ます。

カテゴリーは、 Production Design, Direction, Best Production Value, Cinematography, Editing, Script, Best use of Music, Sound Design, Special Effects & Computer Graphics, Animationと、分けられています。

今年は何が受賞するのか、ホントーに楽しみ!!もし、今年カンヌに行く予定なら、知らせてくださいね!Ai Yamamoto, Sayako Sakai、そしてわたし Julie Thomasがいます!みなさんに、ぜひ会いたいわ!