お久しぶりです!

2年目になって戻りました、Wataruです。

またカンヌの時期がきましたね!

昨日に引き続き、その他のジャンルのものをご紹介します。

残念ながら、カンヌの受賞作品予想は今回が最後となります…!

 

それでは、第6弾の1作目はこちらです!

Donate Life: World’s Biggest Asshole

監督:Speck&Gordon

プロダクション:Furlined

 

こちらはDonate Lifeという臓器提供を支援する団体のCMです。

題名を直訳すると「世界一のクズ野郎」です。

すごいタイトルですね・・・

でも内容を見てみると納得です。

これは、街中の人からクズ認定されているColeman Sweeneyというおっさんの話です。

インパクトのあるブツをぶら下げた車を運転しながら、尿の入ったボトルを投げ捨てるわ、女性の下着を盗むわ・・・確かに相当なクズ野郎ですね笑

いつものようにクズなことをしていると、脳動脈瘤が彼を突然襲い、なんと命を奪われてしまいます。

しかも、$1.99(約200円)の朝食のポテトを大盛りにしろと喧嘩しているときにです・・・

なんとも言えないですね・・・

しかし、店員が財布から見つけた運転免許証に、なんとSweeneyが臓器提供者であることがわかる。

その日を境に、Sweeneyはクズ野郎からヒーローになった。

腎臓は二児の父のもとへ、心臓は教師へ、脚の腱は歩けない軍医のもとへ。

そして、彼の角膜はお隣さんの82歳のおばあさんの元に行き、犬が庭にバラまいていたう○こを見つけ、拾えるようになりました。

そして、最後に入るコピー「even an asshole can save a life」(=クズ野郎でも命は救える)。

こんなクズでも、最後は報われましたね。

自分の日頃の行動や態度を見直してみようと思いました・・・

 

続いてはこちら:

Kodak: Understanding

監督:Terry Rayment

プロダクション:Eskimo

 

こちらは3分に満たない映像ですが、家族や愛の力を感じさせてくれる作品です。

妹に野球のチームメイトとキスをしているところを目撃される主人公。

そう、彼は同性愛者なのです。

主人公の様子を見ていると、父親にはなかなかカミングアウトできてないようで、彼のイラつき、焦り、恐怖を感じ取れます。

そこで、父親がこっそり主人公の部屋に入ると、チームメイトとのツーショットを見つける。

複雑な表情をし、そのまま主人公の誕生日パーティーのシーンに切り替わる。

誕生日プレゼントを開けると、そこには額縁に入ったツーショット。

父親は苦悩しながらも、最終的に息子の意思を理解し、受け入れたのです。

セリフもほとんどないのに、演技だけで物語が伝わるところが素晴らしいですね。

商品である写真・カメラもすごく自然に物語に組み込まれていて、広告っぽくないところもまた良いですね。

しかし、僕がもし主人公と同じ立場だったら気が気ではないですね・・・

 

続いてはこちらです!

Sandy Hook Promise: Evan

監督:Henry-Alex Rubin

プロダクション:Smuggler

 

こちらは一見、普通の高校生のほのぼのした日常の物語に見えるでしょう。

しかし、その裏にはとんでもないものが隠れているのです。

いつものように図書館に籠もる主人公のEvan。

何気なく「I’m bored」(=暇だ)と机に書くと、翌日になんと誰かからの返事が書かれている。

返事を返すと、その翌日に知らぬ誰かから返答がきてる。

次第にEvanは図書館に行き、その人とやりとりをすることが楽しみになっていく。

ずっとその相手が誰だかを気にしながら、ついに「Who are you?」(=君は誰だ?)と核心に迫ろうとしたときに図書館は夏休みのため、閉鎖されてしまう。

相手がわからないまま、夏休み前日にクラスメイトとお互いの学生アルバムのコメントのやりとりをしていると、彼の字体に気付いた女子生徒が「あなたがMr. Bored?」と尋ねてきた。

ついに感動の対面!

・・・と思いきや、その後ろで銃を放つ生徒が!

「While you were watching Evan, another student was showing signs of planning a shooting.」(=あなたがEvanを見ている間、違う生徒が銃撃のサインを送っていた。)

そう、主人公の話などどうでもよかったのです。

僕たちが主人公にだけ焦点を合わせ、物語を見ている裏で、その銃撃を放った男子生徒は何度もサインを送っていた。

「Gun violence is preventable when you know the signs.」(=銃による暴力は、サインを知っていれば防げる。)

こちらはSandy Hook Promiseという銃暴力を防ごうとする団体の広告だったのです。

みなさんはサインに気づきましたか?

ちなみに僕は全く気づきませんでした・・・

 

最後はこちら!

Momondo: DNA Journey

監督:Jeppe Rønde

プロダクション:Bacon

 

こちらはデンマークの旅行検索サイトmomondoの広告!

「WOULD YOU DARE TO QUESTION WHO YOU REALLY ARE?」(=自分が本当に何者か知ってみたいか?)

という問いかけから始まる。

自分がイギリス人であることが誇らしいと言う男性、バングラデッシュに強い愛国心を持つ男性、自分は100%アイスランド人であると言い張る男性など、世界各地から集まった人に、自分の祖先を判別するDNA実験が行われた。

面接官がまず問いかけたのは、参加者が他国や人種についてどういう印象を持っているか。

「ドイツ人とは気が合わない。」

「紛争があったから、インドやパキスタン人が嫌い。」

「トルコの政府がとても嫌い。」

「なんか気に障るから、フランス人が苦手。」

それぞれ、理由も特にないが、偏見で他の人種を見ていることがわかる。

そこで、「自分のDNAの旅に出てみないか」と提案する面接官。

二週間後、DNA実験の結果発表のため、呼び戻される参加者たち。

そこで、驚きの真実が明かされるのです。

面談で嫌いと言っていた人種が、実は自分の祖先であったこと。

また、自分の血筋が100%母国のものだと思っていたが、考えもしなかった国の血が流れていたことなど。

「広い意味で言えば、私たちは皆兄弟なのです。」と良いことを言うメガネの面接官。

最後に「自分のルーツがある国を尋ねてみたいか」という問いかけに、皆明るい表情で答える。

そして、最後のコピー。

「AN OPEN WORLD BEGINS WITH AN OPEN MIND」(=広い世界は広い視野で始まる)

この広告を見て、自分のルーツを知りたい気持ちと、色んな国に行って視野を広げてたくなりましたね〜

 

以上、2017年カンヌ受賞作品予想シリーズでした!

今後は現地からのレポートを掲載予定なので、カンヌ期間中もブログをチェックしてくださいね!

では!