前回に引き続き、ADFEST2014で気になった受賞作品をご紹介していきます。

INTERACTIVE部門
Gold賞を受賞したオーストラリア空軍
Royal Australian Air Forceの「Anytime, Anywhere」
遠い日本国のとある制作会社勤務女性が見ても入隊を検討しそうになるような、精巧で非常に分かりやすいリクルーティング用のインタラクティブサイトです。

ウェブサイトはこちら:http://www.defencejobs.gov.au/anytimeanywhere/

あまのじゃくぶりを発揮してマイナーなところをクリックしても、きっちり事細かな説明をしてくれます。


OUTDOOR部門
Outdoor部門ではデジタルを駆使する以上に、新しい技術を生み出している広告作品が目立ちました。
中でも目立っていたのが、Grande賞受賞の
Coca-Colaシドニーの「Small World Machines」

インドとパキスタンは悪化した関係を60年近く修復できないまま今日に至っています。
そこでコーラは両国の人同士を近づけようと考え
ただ最新鋭の技術をショーケースするのではなく、それを生身の人間と人間をつなげるデバイスにしたところが評価のポイントとなったようです。

上記の作品同様、次にご紹介する作品も観た人の琴線に触れるものです。


LOTUS ROOTS部門
LOTUS ROOTSとはその国の地域文化にのっとったアイデアを評するアドフェス独自の賞であります。
その部門でGrande賞に輝いたのはフィリピンの銀行
Cebuana Lhuillierの「Family Remeet」

フィリピンでは出稼ぎの為に家族の元を離れ都市で働く人が多数居ます。
稼いだお金は家族へ送りますが、フィリピンには地域の銀行などがない為、送金されたお金は直接残された家族が回収しにいきます。
そこへ、Cebuana Lhuillierでは定期的にお金を送金している人に連絡を取り、何も知らない家族に会わせてあげました。そして隠しカメラに収められた家族の再会の映像は、例え境遇のまったく違う人であっても思わず涙目になってしまうものです。ひとつの銀行が人と人をつなげ、こんなにも温かいイメージを作り上げたところが、高い評価を得ました。

審査委員長Tor Myhren曰く、ここ10-15年間でのデジタル革命を通して、消費者や他の業界との関わり方や「共創」の仕方が大きく変わってきているそう。
その新しい広告、の台頭をたくさん目撃できた今年のADFEST受賞作品でした!