Bonjour! Comment allez-vous(お元気ですか)?
フェスティバル初日ですが、このカンヌという小さな町は既に世界中から押し寄せた人たちでいっぱいです!フェスティバルのこんな早いうちから、これほど大勢の人がいるのは初めて見ました!

私たちのフェスティバルはというと、まずは会場前でAOI Pro. グループの記念写真を撮るところから始まりました!!頭上の巨大なポスターは毎年変わります。今年のものは、沢山のハイビスカスで飾られていることから、なんとなくハワイ(私の故郷)を思い出させます。

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そして、今度は登録です。中にいるときは、常にこのIDパスを身に着けていなければなりません。写真の人物と同一人物なのか、真剣にチェックされますからね!!各セミナーへの入場する際には、コードをスキャンされます。これが私のバッジ :)

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1日を通して、どのようなセミナーが何処で何時に行われるのか追う為にはこのCannes Lionsアプリがうってつけです!自分のお気に入りを全て登録することで、次に何処へ行けばいいのか分かるのです。

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まず私が絶対見に行かなきゃと思っていたのが、イギリス最大の新聞/雑誌会社Daily Mailによるセミナー”Celebrities & the Media”。とっても興味深いだけでなく、エンターティメント性も抜群。ゲストは、Twitter上でとても人気のあるMartha Stewart、 Melanie Brown そしてNick Cannon。誰か知っている人はいませんか?

Martha Stewartは、アメリカビジネス界の大物であり、作家、雑誌発行者、TVパーソナリティをこなすような人物なのですが、雑誌Martha Steward Lifestyleが1番知られているかもしれません。Twitterのフォロワーはなんと300万人!

Melanie Brownは簡単に説明すると、元Spice Girls、Scary Spiceの人です!彼女のフォロワーは750,000人。

Nick Cannonは、俳優で、コメディアン、1番知られているのは、マライア・キャリーの旦那さんというところでしょうか!HAHA! ゲストの中では1番のフォロワー数を誇り、その数なんと350万人!

ディスカッションは、デジタルメディアが持つ速効性、ソーシャルメディアの拡散、そしてセレブリティ達がどのようにこれらのメディアを活用して自信のブランド性をマネージメントしているかについて話し合われました。
デジタル、ソーシャルメディアは、セレブの世界でもとびきりの影響力を持ち、一夜にして成功したりも、逆に破滅したりもするし、暫くの沈黙の後に復活するきっかけになることもあります。俳優たちは、すでに彼ら自信がブランドなのであり、フォロー、ライク、リーダーなど、全く新しい形でファンたちを取り込んでいるのです。

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彼らは一様にオープンで正直でいること、そしてセレブの中にはそのような人もいるようですが、ゴーストライターを使うのではなく、自分でTweet を書くことの重要性を説いていました。Martha Stewartが、Tweetの際にスペルミスをするとフォロワーに酔っているのかと指摘されると言っていたのが面白かったです!HAHA!!

セレブ3人は、Tweetに費やす時間が実に様々で、Stewartは1日たった5分しか使わないと言っていました。Brown (Scary Spice)はというと、1日に5~6Tweetするそうです。そしてCannonですが、Twitterに夢中になってしまうと1日で30~40Tweetしてしまうそうです。彼は自分がTwitter中毒であることを認めていました。

彼らは皆、パーソナルなことからプロフェッショナルなことまで幅広くTweetしており、ビジネスベンチャーや、ビジネスパートナーのプロモーションをするようなTweetも厭わないとのことでした。もしスポンサーつきのTweetである場合、最後にスポンサー付きと付け加えるのです。

もうひとつ、私がすっごく面白いと思ったセミナーがCHIME / THE GOOD RELATIONS GROUPによる、LONDON 2012: LESSONS LEARNT FROM THE GAME-CHANGING GAMES(形成を一遍させるようなゲームから教わったこと)

取り上げ方が難しく、けれどもとても意味のある文化的なテーマ〝障害とパラリンピック“を、どのようにして世界的に受け入れられるまでの一大事にすることが出来たのかがわかる、素晴らしいケーススタディでした。

ゲストは、Jackie Brock-Doyle (Good Relations GroupのCEO)、Dan Brooke (Channel 4のChief Marketing and Communications Officer &私の個人的なお気に入りでもある “Meet the Superhumans”の制作に関わった人物)、そしてAde Adepitan (パラリンピック選手でありジャーナリスト)。彼らの多大な働きによって、ロンドン・パラリンピック2012に大いに光が当たることになったのです。

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Dan Brookeは、これまでの歴史から見て、どれだけパラリンピックがプレスやテレビ報道から縁遠かったかを説明しました。人々に興味がなかっただけではなく、改善の見込みも無かったのです。オリンピック開催が決まってから、LOCOGのチームは、これまでの慣例をひっくり返し、まずはパラリンピック用のデザインをし、その後オリンピックをデザインしたというのです。選手村などもそうですが、どちらの競技も同じ会場が使用できるよう、全てがまずはパラリンピック選手の視点でデザインされました。世界初の試みでした。彼らは2つのゲームを統一することで、オーディエンスが複数のメディアからアクセスできるようにしたのです。

メディア・マーケティングに関して、BBCを使用しないことに決めたのも見事でした。Channel 4という公共テレビ局を使うことによって、より革新的で、若々しいアプローチが出来るのではと考えたのです。また、ニュースのレポーターの50%以上を、この分野の知識も豊かな元パラリンピック選手に任せることにしました。これにより、彼らは当事者の視点を生かして、レポートのコメントの際にユーモアを取り入れることが出来るようになりました。これにより、見る人の試合に対する理解も変わったということです。

けれども、おそらくパラリンピック最大のインパクトとなったのは、Channel4によるマーケティング方法でした。彼らは障害をもつアスリートを“The Superhumans(超人)”という言葉で表現したのです。以前、メダルを獲得したこともある元パラリンピックバスケットボール選手のAde Adepitanは、それまでは自分のような障害を持つ選手がフィーチャーされたNikeスタイルのCMなど無かったと言っていました。クールに描かれたものを求めていたのです!結局Channel 4は、このような障害を持つアスリート達の努力は他の選手のそれとなんら変わりは無いという、彼らを称える素晴らしい作品を作りだしたのです。

この作品を注意深く見てもらえれば、ここに出てくる選手たちがなぜ障害を持つことになったのか、そのきっかけとなる、交通事故や爆弾事故のシーンに気が付くと思います。多くの人にとって、障害を負ったのが突然のことであり、それでも全力を尽くしている姿が見られるのです!失ってしまった、手、足が彼らのことを引き止めることなど出来ないのです!音楽ももちろんですが、アスリート達が本当にパワフルで強靭に描かれており、とても力強い作品になっています!

Channel 4のDan Brookeは、これは全て社内で制作されたものだと説明しています。広告会社が関わっていなかったというのです!彼らの努力によってパラリンピックは話題の中心となり、イギリス国民の心にも深く刻まれました。パラリンピックのチケットはオリンピックが始まるずっと前から、すでに売り切れていたとのこと。前回オリンピックより約250%もオーディエンスの伸びを記録したそうです!WOW!

日本で、これほどまでにパラリンピックが取り上げられたことがあったでしょうか?正直、わたしの記憶にはないです!