今年のAdfestには20人弱のインド人が参加しました。それでも6人が審査員として参加する等、日本・中国が主になっているフェスティバルにも関わらずインド勢も頑張っています。また、バングラディッシュ・スリランカからもインドを越えるほどの人数が来場していました!

現在のインドのTVCMを見ているとクリエイティビティの黄金時代に突入した感じがいたします。その溢れるクリエイティビティはお国柄28の県と異なる言語でのコミュニケーションが問われるがゆえなのか、それとも強いサブカルチャーへの熱からくるのかわかりませんが、どれもインド人の好みに仕上がっている気がします!

インドではTVCMの影響力の強さや、約623近いチャンネル数があることもあり、CMの本数やプロデューサーの数は年々増えてきています。殆どの発展途上国がデジタルメディアにシフトしているのに対し、インドでは未だにプリント広告やTVCMが業界を支配しています。

誰もが羨むフィルム部門でゴールドを受賞したのはTaproot(代理店)の”I am Mumbai”。私も以前のブログ“インドの広告における社会的な責任”で詳しく紹介しましたが、もう一度:

Contract AdvertisingはMorphy Richards juicerのCMでうまく皮肉的にインド内の汚職を表現。同じくフィルム部門でシルバーを受賞しました。また、この作品はフィルム部門とFilm クラフト部門(サウンドデザイン)の2つの受賞となりました。

同じくフィルム 部門のシルバーを受賞したのはyatra.comのCMを作ったMcCann Ericson。 作品名は Aarti でインドカルチャーの要素をうまく表現したという理由からの受賞でした。

フィルムクラフト部門(コスチュームデザイン)のシルバー賞はBangBang Films の“IPL Carnival”が受賞。これも以前のブログ“広告とインドの国民的スポーツ:クリケット!”で紹介しました!

そして、同じくフィルムクラフト部門(オリジナルミュージック)のシルバーを受賞したのはCorcoise Filmsが制作したICICI BankのCM。これは村の少年がキャンディー?を買うために小額の小銭を貯めるというなかなかいい話です!

BBDOはGilletteのキャンペーンでEffective Lotusを受賞しました。このキャンペーンの好きなところは、有名女優を使うメリットを最大限に活かしている点です。というのもこの美女達の言うことに耳を傾けられないようであればインドの男性達は誰の言うことも聞かないでしょう!

BBDOはVisa Debit CardのCMでもLotus Rootsを獲得。インドにある小さな村で発電を試みるという内容です。“言葉”と“映像”両方でメッセージを伝えるいいCMです。

Scarecrow CommunicationsもPanasonicの来客用ビデオモニターのCMでブロンズを獲得。切り口がおもしろいCMです。タイトルは“Mrs. Pinto”で審査員もこのCMがU.Kで撮影されたことに驚いていた様子でした。Best Home Appliances(家庭電化製品)カテゴリーでの受賞です。

おもしろいことに、以下で紹介するブロンズ受賞作品は全てBest of Communication and Designカテゴリーのファイナリストに残りました。

代理店Leo Burnettによる“Kaun Banega Crorepati(インド版クイズミリオネアー)”のCM。

また、Contractはfirstpost.comのスポットでブロンズを獲得しました。社会的責任を確認させるような視点をうまく加えています。インドっぽい映像が出てくるまでの最初の何秒かはインドのCMと気づきませんでした。

Taprootは他にも”Fox Movie subtitles”を含む3つのブロンズを獲得する等、大活躍でした。

“Fox Movie subtitle”はコンセプトとしては面白いのですが、笑いのタイミング等、ちょっと私の好みではありませんでした。

個人的にはこの派手な感じやCMで使われている音楽も好きです。

以下の写真はAOIチームとインド人の受賞者・審査員の方々で撮った写真です。
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