みなさん、お久しぶりです。

今日は久々に最近気になった海外の映像を紹介しようと思います!



「Save Ralph」 (=ラルフを救え)
クライアント: Humane Society International
監督: Spencer Susser
カメラマン: Tristan Oliver
プロダクション: Arch Model Studio, Blue Tongue Studio


内容を簡単に説明すると、
こちらのショートフィルムは化粧品開発の動物実験の廃止を推奨するもので、
実験台として日々働くラルフというウサギに密着したコマドリのモキュメンタリー映像です。
実はこのウサギ、これまでの実験の結果、親や兄弟を亡くし、自分自身も片目が見えなく、
片耳が聞こえてないのですが、これでも人間の役に立っているなら本望だと、悲しげにカメラに語りかけます。
いつものように実験場へと拉致されると、まわりのウサギたちがラルフに密着してる制作クルーに気付き、
「ここから解放してくれ」とせがみますが、そうこうしてるうちに、ラルフは謎のケミカルを打ち込まれ、失明してしまうのです。

実験を終え、痛々しい姿となったラルフはカメラを探し、
「これがなけれ、ば自分は普通のウサギみたいに野原を走り回ってるだろうから、大丈夫」と苦しそうに微笑みかけ、
「No animal should suffer and die in the name of beauty.」
(=美の名の下に動物が苦しみ、死ぬべきではない。)というタイトルで映像は終わります。


いや〜、最初はただかわいらしいキャラクターに惹かれて試聴してみたのですが、これはやられましたね、、
普段このような「動物実験やめろ」みたいな映像ってグロかったり、目を背けたくなるようなものが多い印象ですが、
あえてウサギをかわいらしく親しみやすいキャラに仕上げて、映像自体も若干コミカルなノリにすることで、視聴者も気軽に見れますよね。
それによって、キャラクターへの共感や愛着がうまれ、結果的にメッセージがすごく伝わるし、見せ方が上手いな〜と感心させられました、、


主人公のラルフのキャラ作りが絶妙なことで、より共感できる映像になってると思うのですが、
実際監督やパペットマスターのインタビューを見ると、そこのバランスにかなり気を付けてたそうです。

で、このパペットマスターなんですが、Andy Gent というイギリス人の超大御所の方が参加しており、
ティムバートンやウェスアンダーソンの作品を手がけてるめちゃくちゃすごい人なのです。

ラルフの骨組みの制作に4ヶ月以上かかり、それに毛を足す作業に5週間ほどかかったそうです。
さらに、撮影自体も50日以上かかり、一日につき4秒ほどの尺を収録していったそうです。
めちゃくちゃ長丁場な撮影ですね、、想像するだけでも気が重くなりますが、
その結果アニメーションやCGじゃ表現できないとてもクォリティの高い映像に仕上がってますね!


メイキング映像もあったので、興味ある方はぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=dt35WbCEt5U