みなさん、こんにちは。今週は中国の春節です。春節は旧暦の正月であって、中華圏で最も重要とされる祝祭日であります。毎年のこの時、家族は皆集まり、春節前に年越し用品を買い、春節後に親友を訪ねます。今の中国では、多くの人々は内陸の小さい田舎から、沿海の発達した都市に働くに行くので、春節の時交通量が非常に多くなります。毎年起こる人類最大の人口移動だといわれています。鉄道が主要な交通手段です。あまりにも多くの人が切符を求めるので、多くの人は駅で一晩中待って切符を買おうとします。指定席が買えない人は、列車でずっと立っています。家に帰る旅行はとても大変なので、故郷に戻ろうとしない人も多いです。でも、故郷に戻らないと新年とはなりません。去年放送された中国中央テレビのPSA CM は、故郷に戻ることを促していました。今日はこのCMを紹介したいと思います。

このCMは4つの物語で構成されています。”63年後の再会”、”結婚の緊張”、”故郷の味”と”小さすぎた服”です。
”63年後の再会”の背景を少し紹介したいと思います。1926年に、中華民国政府率いる国民革命軍と、中国共産党率いる中国工農紅軍との間で内戦を行われました。1949年、中華民国の首都南京が陥落すると、中華民国政府は国民に台湾へ撤退することを呼びかけます。撤退する時間が少なかったので、家族の一部だけしか台湾に行けませんでした。それから、台湾と大陸間の交流は一切禁止されました。2008年になって始めて、交流が解禁されました。このCMは、63年に渡り、1人台湾にいた老人が大陸に初めて帰って、上海の兄の家族に会う物語です。老人が台湾にいる間に、お母さんは亡くなってしまっていたのです。中国の文化では、親孝行はとても重要です。台湾の老人は、お母さんの世話できなかったことを無念に思います。その気持ちを表すために、台湾の老人は亡くなったお母さんにもお年玉を準備するのです。

「ただいま、お母さん。やっと帰ってきたよ。」

”故郷の味”では、主人公は気温40度の赤道のアフリカのカメルーンから、気温マイナス25度の中国の東北地方にある故郷に帰ります。そこで、伝統的な春節の食べ物、餃子を食べます。

”小さすぎた服”では、広東で働いている夫婦がバイクで故郷に帰ります。この夫婦の娘は故郷に住んでいます。でも、長年娘を見ていないので、お土産に買った服はちょっと小さいです。夫婦は、来年は娘を一緒に都市に連れて行こうと思います。

このCMを制作したのは、McCann Erickson – SGM Works。去年のLongxi Creativite Awards-Social Engagement Awardsを受賞しています。Sina Weiboでのリツイート数は、100万回を超えました。故郷に帰る意味はただ旅行をすることではありません。大事なのは故郷に対する愛です。

どうぞご覧になってください。春節おめでとうございます。