今日は、インドで流行っているCMを取り上げたいと思います。

基本的にインドでは、音楽を中心に据えたCMが流行ります。中にはミュージック・ビデオとしてもおかしくないくらいの長さのものもあり、キャッチーなチューンはすぐに世間に浸透します。また歌は着メロとしてダウンロードされたりすることから、お金を儲けるのにも一役買っているといえます。
2013年1月に公開されたCoca Colaの“Crazy for Happiness”もそんな成功したキャンペーンのひとつです。

監督はShujaat Saudagar。

自転車に乗っている女の子が、タクシーを拾おうと手を上げる人にハイタッチするシーンで始まります。ドアマンが、レストランから出てくるお客さんよりコカ・コーラのボトルを手渡されたり、疲れたサンタ・クロースが自分宛にプレゼントされたコカ・コーラのボトルツリーに下で見つけたり…。この間、ずっとBGMとして流れているのが“Haan main crazy hoon”。 最後は“Kya aap duniya ko khush karne ke liye crazy hain(君は世界を幸せにするほどきちがいか)?”で終ります。“Khushiyaan lutao, crazykehlao(幸せを広げて、クレイジーと呼ばれましょう)”がテーマです。

次に紹介するのは2012年12月に発表されてから、インド中を感動の渦に巻き込んだIdeaCelluerの“Honey Bunny(最愛の人)”です。

一度この覚えやすいCMの音楽を聞いたら、もう頭から離れません。すぐにバイラルになりました!。キャンペーンの主な目的は、Ideaのサービスエリアの強さを強調することです。クリエーティブ・エージェンシーLoweがこの新しいアイデアを企画し、音楽“Honey Bunny”はBollywoodの作曲家、Amit Trivediによって手掛けられました。
国中の人が“Honey Bunny”を歌っている様子が見られます。歌詞は、歌う人によって次から次へと変わって行きます。フィルムの半ばで、とある男性がどこでその音楽を聞いたのかと人に問いかけます。すると携帯が鳴っているシーンにカットし、その音楽は実は着メロであったことが分かるのです。その携帯は、国中を旅行するバックパッカーのものであり、会う人ごとにこの着メロを聞かせて普及させていったのです。最後のタグラインは“Idea hai toh, phone will ring(Idea hai toh,電話は鳴る)”。
Ideaはキャンペーンを広げるために、テレビ、ラジオ、デジタル、屋外広告、シネマというあらゆるメディア媒体を使いました。まずは音楽をリリースし、4つのティーザーと、テレビCM1本を公開、それをまたデジタル媒体で展開しました。音楽とテレビCMは、オンラインでバイラルになり、ソーシャル・メディア上大変話題になりました。“Honey Bunny”のCMは数週間で、2億7千万ものビューがされましたことになります。大成功した例といって良いでしょう!