今年FILM部門グランプリを取ったのは、誰もが納得の公共広告キャンペーンDumb Ways to Die。かわいすぎて何度見ても飽きないですねー♪音楽もDLしちゃいました。

クライアントはMelbourne Metro(メルボルンメトロー地下鉄)。電車周りの事故防止の公共広告。「このような公共広告はシリアスなものか怖いものばかりで、なかなか広まらない。公共広告っぽくない、公共広告を作ったらどうか?」というのがMcCannのECDであるJohn Mescallのアイディア。

コピーは彼、音楽はオーストラリアのミュージシャンOllie McGill氏、ボーカルはオーストラリアのバンドボーカルEmily Lubitz氏(今回のクレジットとして二人でTangerine Kittyとしている)。歌詞の内容とはまるでマッチしなそうな曲調と声をあえてキャスティング。

気になるアニメーターはJulian Frostというオーストラリアのアニメーター。彼のシュールな世界観は確かにこの企画にぴったりですね。John Mescallは「とにかく自由に作ってもらいたかった、とにかく面白くて、イケてるものを作って。自分が満足するものを、と伝えた」と。

Julian Frost曰く、「クライアントも最高だった。もっと過激に!ピラニアを彼の大事な箇所に足して!ってオーダーが入りました。笑」と。

このキャンペーンはFilm以外にもポスターなど野外広告、キャンペーンサイト、Facebook/tumblr、音楽はitunes、ラジオなどで配信された。
Film部門以外にも、Interactive部門Gold/Integrated Lotusを受賞。

Youtubeで去年の11月半ばにローンチし、その週末には500万近いビュー数だったそう。1ヶ月も立たないうちに、3000万近くなり、今ではパロディーも300以上。
曲は、1週間でitunesランキング上位10位以内にまで。


去年のカンヌFilmグランプリのChipotle(過去の記事→こちら)から、Film部門の概念が大きく変わり、今回のDumb Ways to Dieも、その流れを引いているような気がします。このFilmの強さに加え、他のメディアとインテグレートしていて、効果を増している。世の中の仕組みを疑問視し、変える仕掛けを作った素晴らしいキャンペーンでした。

「映像ほど、人の心を瞬時に掴む力を持っているコンテンツは他にない」とM&C SaatchiのECD、Dave Kingが言ってました。こうして、ただプラットフォームが変化してゆくだけなんですよね。

日本語訳がついてるのがあったので一応。多少意訳されてますが:

以上のソース:
-Adweek: “The spot: Angels of Death”
Julian Frost website
-The Ads of the world “Dumb Ways to Die”