オースティンの街は新しい建物が急増中:
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宮川です!インタラクティブ中心でお届けしてきたSXSWレポート、
今回が最終回ですが、少し話題を広げてお送りしたいと思います!

Interactive後半からFilm/Music部門も始まり、特に夜は中心地の6番街から、あらゆるジャンルの音楽が大音量で流れてきて、お祭り要素が強まります。同時にスポンサー企業の広告合戦も激化!最終回はオースティンコンベンションセンターを出て、街の様子を中心にお届けします。


■SXSWは、言うなあれば「街おこし」!
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中心地や郊外にある古い映画館を上映会場に!

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SXSWは、一昨年あたりから参加者が爆発的に増加し、世界中から人が集まるために、ホテル・交通機関がみんなテンパリ状態。町や住民の全面協力なしには成り立たないイベントです。受付や案内、各所に赤いTシャツを着たボランティアの方々がたくさん!年代も幅広く、みんな楽しそうです。
誰も住まなくなった一角の古い民家もGoogle Villageとしてイベントスペースにしたり、古い映画館がfilm部門の上映会場だったり。教会までもがライブ会場に。6番街に並ぶBAR、レストラン、ライブハウス、臨時ステージからは、それぞれ大音量の音楽が流れてきて、夜は大通りをレーザービームが行き交います。
日本であればきっとうるさい!けしからん!と怒られそうなことも、町中がウェルカムな雰囲気で、何よりも町の人たちが楽しそうで、「街おこし」大成功といったところでしょうか。


■「好きになっちゃう」の法則!

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今回、Social Discoveryというキーワードとは別に、宮川的に連発していたマイ・キーワードが、「これじゃ、好きになっちゃうよぅ!」。歩いているとスポンサー企業がユニークなプロモーションを仕掛けてきます。
Interactive開催中は、Second Marketなど、いろんな企業がお店貸切りで、パーティーを開催(説明や出会いの場を提供)。FedexはフリーランチボックスをあげるからSNSでつぶやいてねとやっていたり、Monster Energyはセクシーなお姉さんがトラックから商品を配っていたり、AMEXカード会員の人がSNSでつぶやくとJay-Zスペシャルライブの抽選応募になったり。他にも、clikというリモコンアプリを大きなスクリーンでデモしていたり、複数のSNSを一元管理できるhootsuiteのキャラクターバスからグッズをばらまいたり、合戦が繰り広げられていました。
受け取る側も楽しくなって満足する。 好きになってしまうようなタイミングやグッズで攻めてくるので、その企業や商品への好感度がアップする事必至です…。

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Doritosは自販機を模した巨大なステージを用意。Google Playは丘の上の駐車場の屋上を貸し切ってステージに

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Music期間中はプロモーション合戦も激化。Interactiveに比べ、一般客が増えるため、ド派手なアピールの方が目立って印象に残るからです。MTVとの協賛イベント(一般のお客さんは入場料あり)では、Doritosは未発売の激辛新味を大盤振る舞い、AT&TはフリーフードとフリーWi-Fiを提供!私のような参加者にはどれだけフリーWi-Fiがありがたいか!炎天下の中、激辛Doritosとスペアリブをいただきながら、この曲誰だろうと曲検索アプリを立ち上げる。これは好きになっちゃう状況が計算ずく!企業側の思うツボです!しかしながら「好きになっちゃう」のだから仕方ありません。。。


■ 「好きになっちゃう」ストーリーをいかに考えられるか

刺激的な10日間を通して感じたことを2つ。

フライヤーだらけの信号、しかしここにお宝が!
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一つ目は、「最適」って何だろうということ。サービスの最先端を議論するSXSWなのに、専用アプリでは探しきれなかったイベントやライブが数多くありました。お宝は街に眠っていました。信号で立ち止まる間、何気なくおしゃれなフライヤーに目をやると、明日○○のライブやるんだ!というような出会いです。広告の原始的な方法ですが、状況によっては“最適”メディアになることを証明しています。情報が無料だからこそ整理していかに最適な方法で届けるか、そこに価値があるという事をSXSWは、感じさせてくれました。

大盛り上がりのスポンサーではないRedBullステージ
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二つ目は、好きになってもらうための知恵をどれだけ絞れるかということ。AT&TやDoritosも、こんな状況にあるからこうすれば好きになっちゃう…というストーリーでプロモーションを仕掛けています。複雑な仕掛けよりも、簡単で直接的な方が人は動かされます。「よし、肉を配ろう!」というこの単純な手法は、絶大な効果を発揮。ストーリーを考えるのも、シンプルな方がいいのかもしれません。もちろんストーリーをきちんと考えるためには、繊細なtagが必要だと思っています。

プロモーションの中で、一番素敵だと思ったのがRedBull。SXSWの公式飲料スポンサーはPepsi、MonsterEnergyです。競合のRedBullはスポンサーではありません。しかし、一番盛り上がる週末を狙い、オースティンのど真ん中に巨大ステージと会場を作って誰でも入れるフリーライブを敢行! RedBullの太っ腹な行動に、その思いはダイレクトに届いたようで、会場の誰もが好きにならざるを得ない状況になっていました。

飛行機の遅延と雨は、この先を暗示するのかと思いやられましたが、10日間は、あっという間に過ぎ去ってしまいました。SXSWは、その不安を微塵にも感じさせないほどにインパクトを与えてくれました。今は、そんな晴れ晴れとした気持ちでいっぱいです。来年またこの地に降り立つ事を思いつつ、自分なりの「好きになっちゃう」の法則で仕事に活かしたいと思います!ではまた来年。