ヒップホップに興味がある方は、RUFFMERCYの作品は必見でしょう。イギリス在住、My Accomplice所属のディレクター・アニメーター・イラストレーターである彼は、主にラップのMVを中心に、イラストあるいは実写映像に手描きのグラフィティを加えていくスタイルで、数多くのスタイリッシュな作品を生み出してきました。

上のPVは、Jean-Michel Basquiatのグラフィティ・アートの影響を受けた作品。始めに10秒間ほどのアニメーションを手描きで作成した後、それをベースに編集ソフトで線やパターンの組み合わせを変えていく手法をとっているそうです。音楽のビーツともみごとにシンクしていて、見ていて爽快ですね。

こちらはMERCY最新作。彼のこの“SCRAWL” (落書き) 手法は、音楽業界の中ではすでに一定のブランドを築き上げています。もともとはテレビ局でアニメーターとして働いた彼は、初めてMV一面に「落書きをしてくれ」とリクエストされた時は少し戸惑いもあったそうですが、今ではそれが彼の重要なトレードマークとなっています。考えてみれば人の顔に落書きをするのが仕事だなんて、なかなかユニークですよね!

Run the Jewelsのダークでカートゥーンっぽい雰囲気とは打って変わり、こちらは明るくポップでフレッシュな作品に仕上がっています。アーティストのスタイルによって、異なるアプローチをとっています。
ちなみに映像も基本自分で撮影しています。

編集はたいてい2~3週間、もとの映像にAdobe Photoshopで絵を加え、Adobe After Effectsで色やフィルターを加え、レタッチしていくそうです。作品のほとんどがVimeoのStaff Pickに選出されているMERCY、今年のWinter X Games Concertのキャンペーン映像も手がけており、ラップの枠を超え、ますます活躍が期待されます!