1954年のデビュー当時、フェスティバルの名称はCannes Lionsではありませんでした。開催地はカンヌでさえもなかったのです。1番の栄誉を手にした者に送られるのはライオンのトロフィーでしたが、それは全く別の街、最初にフェスティバルが開かれたベニスにあるモニュメントPiazza San Marcosにインスパイアされたものでした。

最初のInternational Advertising Film Festivalは1954年9月にベニスで開かれ、14カ国から、187のエントリーがされました。それが今年は、世界92カ国から35,765ものエントリーを受け付けたということです。WOW!初のグランプリを獲得したのは、イタリアの歯磨き粉、Chlorodont の3分のシネマスポットでした。

60周年を祝う今年、これまでのグランプリ獲得作品がほぼ全て見られるCannes Lionsアプリが提供されています。iTunesから簡単にダウンロードできるアプリです。例えカンヌに行かないとしても、全ての作品をまとめて見られるのは素晴らしいことですよね!

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アプリをダウンロードしたら、右下にある60 Yearsのボタンを押してください。1954年の歯磨き粉のCMから始まります。
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そして、昨年グランプリを獲得したChipotle “Back to the Start”で終ります。
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アプリには他にもとても便利な機能が備わっていて、セミナーから、フォーラム、受賞セレモニーの概要が書かれたスケジュールなんかもあります。
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例えば、日曜日の15:00からは、博報堂ケトルの木村健太郎氏が、博報堂セミナー”1+1=3: A Formula for Creative Alchemy”のメインスピーカーとして話します。もしどうしても行きたいセミナーやイベントがあるのならば、単純に自分のお気に入りに加えれば良いのです。このようにiPhoneで簡単に自分のスケジュールを管理できます。あまりにも沢山の講演、セミナー、試写があり、その全てを把握することはほぼ不可能です!このアプリがあなたを楽にしてくれるでしょう!

もうひとつクールなフィーチャーといえば”CONNECT”でしょう。これによって、自分のTwitter, Linkedin, Facebookのアカウントとコネクトできるようになります。
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また、ツイート、写真、ビデオのライブフィードが常に入ってきます。カンヌにいなくともフェスティバルに参加している気になることが出来るのです。
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カンヌに行かれる方にはGoody Bagが役立つことでしょう。セミナーで見たものを、ダウンロードすることが出来ます。ショートリストエキシビジョンではQRコードをスキャンして、作品を保存することも出来ます。

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最後に、Cannes A-Zでは、探し物、例えば食べる場所などをサーチすることが出来ます!

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さてここから歴史のレッスンに戻りますが:
1955年にフェスティバルはモンテカルロに移動、その後1956年にカンヌに移ります。ベニスとカンヌで交互に開催されていましたが、1984年についにカンヌに落ち着きました。当初、作品はテレビとシネマの2つのカテゴリに分けられて審査されていました。1983年にそれらは統合されFilm Lionsとなります。1992年にPress&Outdoorが加えられ、1998年にはCyber Lions も仲間入り、その後Media Lionsも加わります。2002年にはDirect Lionsがデビュー、2005年にはRadio Lionsも加わっています。同じく2005年には、メディアの形を超えて素晴らしいと思われるものを表彰するTitanium Lionsが誕生しました。2006年にはPromo Lions, 同じ年にOutdoorとPressから分かれました。翌年、TitaniumはTitanium and Integrated Lionsとなりましたが、Titaniumとは革新的なアイデア、Integratedは3つ以上のメディアを使用した統合型のキャンペーンに送られるものです。
2008年にはDesign が仲間入りし、Film Lionsには、テレビやシネマ以外、つまりはオンラインや携帯で公開される作品のためにサブカテゴリが追加されました。

2009年には、デジタルに着目したサブカテゴリがOutdoor, Design, Direct, Media, Promoに加わる中、PR Lionsが設けられました。新たな取り組みとしては2010年にFilm Craft、そしてGrand Prix for Goodが創設されました。2011、クリエイティビティと効果のダイレクトな関係性を評価するCreative Effectiveness Lionsが追加されました。
2012年、2つの新しいカテゴリ、Branded Content and Entertainment Lions そしてMobile Lionsが加わりました。前者は“ブランドによって作成、および自然に融合されたオリジナルコンテンツ”、後者はアプリ、モバイルウェブのようなモバイルデバイスを使用することによって1番効果を発揮するクリエイティブな作品を表彰するものです。

個人的には、カテゴリも、サブカテゴリも多すぎると思います!複雑で混乱します!彼らがどれだけこれで稼いでいるのか想像できますか?!
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これらのカテゴリに加えて、今年新たに加わったのが、INNOVATIONであり、ここに導くような革新的なテクノロジーを使用したものに送られます。
https://www.canneslions.com/about/news_story.cfm?article_id=830
日本からは、電通の2作品、Vision Shift System New video experience system、そして Necomimi Bio sensor technology / communication toolが入っています。

今年は、日本からはどれだけのウィナーが誕生するのでしょうか?(もちろんAOI Pro.からも何か取ることを望んでいますが!HAHA!)日本から誰か受賞したら、嬉しいです!カンヌはオリンピックのようなものです!自分の国を応援しなきゃ!(正確に言えば、私は日本人ではありませんが、あまりに長くいたので、もう日本チームの一員のような気がします!)