いつもなら「このコマーシャル見てください!」というところですが、以下のコマーシャルに限っては「目を閉じてこのコマーシャルを聞いて下さい!」と言うでしょう!!!

Appleは最近”Everyday Photos(毎日の写真)”というiPhone 5のコマーシャルを発表!
確かに画の構成もすばらしいし、ショットも美しいし、編集もすばらしい。それに、私たちが日ごろどれだけiPhoneの写真というものに関わりながら生きているかということもうまく表現できていると思います!が・・・・!クリエイティブ的には何かピンときませんでした・・・!それより何がすごいって、目を閉じて聞いているだけでハイになるようなこの音楽!オリジナルで美しくシンプルなこのピアノはRob Simonsen作曲です!

正直このCMを見るまで彼の名前を聞いたことはありませんでした!彼の活躍の場は主にテレビとか映画のようです。さらに驚いたことに、リトル・ミス・サンシャインにライフ・オブ・パイ、500日のサマーなど、私の大好きな映画をたくさん担当していました。是非、彼のIDMBをチェックしてみてください!

http://www.imdb.com/name/nm1387379/
彼のウェブサイトも!!
http://robsimonsen.com

コマーシャルに話は戻りますが、このCMはニューヨークを拠点とした、Will Hoffman、Daniel Mercadante、Julius Metoyerによるディレクター集団Everynoneが演出を手がけました。大学から友人同士であった彼らは互いの趣味やアイディアを共有し、それをプロジェクトという形で残していくようになりました。「3人の経験値は1人のものよりも格段に強力だ」という信念のもと2008年にEverynoneを結成。

彼らの初期の仕事は”Parabolas”、 “Moments”、”Four Corners of Health Insurance” 等で、
ニューヨークのRadiolabや テレビ局のHDNetから依頼されたものでした。

”Moments”は特にすばらしく、瞬間・時の“意味”というものをうまく捉えています!見ればみなさんも共感できるはずなので、まずは見てみてください!

2010年8月、ニューヨークのグッゲンハイム美術館はYouTube Playクリエイティブショーケースにおいて、EverynoneとRadiolabのショートフィルム、”Words”を取り上げ、この作品は23,000もの応募の中から上映された25個に選ばれました。

同じシリーズ”Symmetry(対称性)”は2013年のVimeoアワードのLyrical部門において大賞を受賞。 今までこんなにクレバーでいい意味でじれったい映像を見たことありませんでした!ビジュアルイメージを通してとてもうまく対称性というものをうまく表現しています!まさに天才!!!シネマトグラフィー、アイディア、音楽・・・どれを取っても最高です!もしかすると自分自身アメリカ人だからこそSymmetry(対称性)に秘められた意味がわかるのかもしれません。

まだまだ素晴らしいEverynoneの作品があるので、私のお気に入りを紹介させてください!

日本にはもう何十年と住んでいますが、心が痛むような学校におけるひどいいじめをよく耳にします。自分のハーフの息子カノアも誰かに言われた言葉で傷つき学校から帰ってきたことが何度かありました。ただ外見が少し周りと違うからといってからかわれ悲しそうに帰ってくる息子を見たこともあり、私はブログを書くにあたってこのフィルムを改めて見て鳥肌が立ちました。世界中でいじめられるている子供達のことを考えると涙を抑えるので必死だったからです!人は皆同じなのになぜ他人をいじめるのでしょうか?

Everynoneは役者・一般人に関わらず、人生そのものを映し出そうとします。彼らの目的はシンプルであり、核となるアイディアの感情と美学を繋ぎ、ありふれた日常をとらえることです。

たとえシンプルなアイディアでも見せ方ひとつでとっても魅力的になるものです!例えばこのショートフィルム”Balls”。普通こんなにたくさんの種類のボールを使うことを考えますか?すばらしい!

私の知る限りではまだ日本で仕事をしたことはないみたいです。みなさん興味はありませんか?Epoch Filmsに所属です。
http://www.epochfilms.com/directors/usa/everynone/

ウェブサイトはこちらから:
http://everynone.com

是非、Facebookで彼らのファンページにいいね!してください!
https://www.facebook.com/everynone