初めまして!4月からGB部に加わりました小野です。よろしくお願いします。

昨年3月ごろから世界各地でロックダウンが始まって1年以上が経ちました。ワクチンも広まり徐々に外に人々が戻りつつありますが、皆様の生活はどう変化しましたか?今回はステイホーム中に起こりうる家庭内暴力をテーマにした映像をご紹介します。

 

DAY AFTER DAY

監督: Hubert Davis /  クライアント:White Ribbon /撮影:Kiel Alexander Milligan /プロダクション:Untitled Films

 

こちらは男性による暴力撲滅を目指すカナダのWhite Ribonキャンペーンのために製作されたもの。監督のHubert Davisはドキュメンタリー映画からそのキャリアを始め、アフリカ系カナダ人として初めてオスカーにノミネートされました。近年では広告も監督しています。

この作品の面白い点は、台詞と撮影が非常に効果的に用いられている点にあります。前半では男性の孤独を描いているのですが、後半ではその前後に視野を広げ、妻の視点から映すことで、男性による暴力が浮かび上がるのです。

冒頭は男性の孤独を強調する映像が続き、中間部で男性が席を外すと女性の姿が現れると彼女の視点に自然と切り替わります。同じ出来事が繰り返されるにも関わらず、カメラが全く別の位置に置かれ、少しだけ切り取られる時間帯が変わることで、見事に2者の違いが強調されています。また、男性・女性共に同じナレーションであることで、この感じ方の差がより強調されています。

また、シネマティックなグレーディング も注目です。alter ego に所属するConor Fisherが今作のグレーディング を担当しています。マツダの海外版CMやパラリンピックのCMのグレーディング を担当たこともあるとか。ドラマチックな色彩により感情が動かされる映像になっているのではないでしょうか。